自己PRで聞き上手は受動的？｜魅力的にアピールするコツを解説

聞き上手は自己PRとして強いアピールになる

聞き上手と聞くと受け身な印象に感じてしまい、自己PRとして使えないのではと不安に思う学生もいるのではないでしょうか。

この記事では、聞き上手のアピールで企業が持つ印象から自己PRを作る際のコツまで紹介します。最後には例文も用意しているので、ぜひ自己PRを作る際の参考にしてくださいね。

「聞き上手」のアピールで企業に与える印象

聞き上手な人は「コミュニケーション能力が高い」と言えます。「コミュニケーション能力＝話すのがうまい」と捉えがちですが、コミュニケーションとは会話であり、会話とは話す人だけでなくそれを受け取る聞き手がいなければ成り立ちません。

つまり聞き上手のアピールからは「コミュニケーション能力が高い人」という印象を持たれやすいですが、さらにどんなコミュニケーションが得意か、企業に持たれやすい印象を詳しく説明しますね。

①相手の話を引き出すのがうまい

聞き上手な人は相手の話を聞き続けるのではなく、相手の話を引き出し会話を流ちょうに進めることができます。話好きな人はこちらが黙っていても話を進めてくれますが、会話が苦手という人も中にはいますよね。

そういった人にはこちらから話を振るなどして相手の話を引き出していかなければなりません。

②適切な質問や相槌ができる

相手の話を引き出すには、相手に合わせて適切に質問したり相槌を打つことが大切です。適切に質問ができれば、会話の内容が広がっていきますよね。

また、適宜相槌をすることで、相手の話を聞いていることや理解していることのアピールにつながります。

また自分の話に共感してもらえると、嬉しくなってさらに会話も進むものです。

聞き上手な人は会話の中に適宜質問や相槌を織り込むことで、会話をコントロールしていると考えることもできます。

③物事の本質をとらえやすい

聞き上手な人は相手の話を引き出すのがうまいので、相手が本当に求めていることや言われたいことを見つけることができます。集団行動においても、意見がまとまらないときに論点や重点を見つけ、折衷案を出したり意見を集約させることができます。

仕事においても、会議の中で意見がまとまらないことや、顧客のニーズを正確に掴まなければならないことがよくあります。そんなときに聞き上手な人は物事の本質を的確に掴めるので、会議をまとめたり適切な提案をすることができるだろうと考えられます。

似た言葉で、傾聴力が挙げられます。次の記事では、自己PRで傾聴力を記載するときの方法について解説しています。ぜひ併せて読んで、理解を深めてみてください。
例文13選｜自己PRで傾聴力だけのアピールは不十分って本当？

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あなたは聞き上手？ 向いている人の特徴

聞き上手をアピールする前に、まずは聞き上手な人の特徴を知っておきましょう。自分では「聞き上手」と思っていたとしても、実は聞き上手とは言えなかったということも考えられます。

その場合は企業にアピールが刺さるどころか逆にマイナスになってしまう可能性も。自分が聞き上手な人間なのか、過去の経験と照らし合わせて考えてみましょう。

人から相談を持ち掛けられることが多い

人から相談をされやすいということは、悩みを親身になって聞いてくれると思われているということ。悩みなど、打ち明けづらいことを相談してくれるということは、あなたは聞き上手の素質があるということでしょう。

集団行動では調整役に回っていた

ここで注意したいのは「ただ聞くだけ」と「調整役」はその意味合いがまるで違うということです。

さまざまな意見をしっかり聞いたうえで、双方の意見の本質を捉え何かしらの案を提案すること。ここまでできて「聞き上手」だといえるでしょう。意見を聞いているだけで何も発言をしない人は「自分の意見がないだけ」と考えられてしまうかもしれません。

相手の言いたいことを想像している

聞き上手な人は、人と話すときにまず「相手が何を言われたいか」を想像しています。たとえばつらいことがあって話を聞いてほしいという人は、聞き手からは否定の言葉やアドバイスよりも同情やなぐさめの言葉をかけてほしいものですよね。

話し手も、自分の感情に沿った言葉をかけられればその分話も進むものです。

相手の話をまずは受け止める

そんなときに聞き上手な人は、その意見を否定して論破するのではなく、まずは一旦受け止めて肯定します。

発言したときに即座に否定されては人によっては委縮してしまうこともあります。話し手にとっても、自分の意見を肯定されるとその後の話もしやすくなりますよね。聞き上手な人はどんな話であってもまずは肯定して、そのうえで自分の話を進めることが多いです。

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「聞き上手」がマイナスの評価につながるケースを押さえよう

積極性をうまくアピールできない

「聞き上手」はただ聞くだけが聞き上手ではありません。「話を聞いた」というアピールだけでは、言われたことしかできない、受動的な性格だと受け取られてしまう可能性があります。話を聞いた上で、話し手に対して最善の行動ができてこそ「聞き上手」と言えるでしょう。

これは聞き上手とは言えるでしょうか。「発言をすることが苦手だから聞く」ことと「発言をしないであえて聞く」ことは違います。相手や周りの立場に立って考え、自ら聞くことを選ぶことも聞き上手の素質の一つです。

志望する企業で求められていない

たとえば毎月大きなノルマがあり、人一倍数字を追う必要のある営業職では、聞き上手よりも粘り強さや行動力を求められるものでしょう。そこで聞き上手のアピールをしても、周りに圧倒されてしまわないか不安に思われてしまうかもしれません。

聞き上手のスキルが必要になるのは、相手の意見を丁寧に聞き、それに寄り添った行動や提案をすることが多いときです。あらかじめ志望する企業について調べておき、求められる人物像からアピールするべき強みを想像しておきましょう。

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伝わりやすい自己PRの構成

ここからは聞き上手の自己PRを実際に作ってみましょう。押さえておくべき自己PRの構成は「強み⇒それを裏付けるエピソード⇒強みを企業でどう活かすか」です。この構成に則って、それぞれの項目での注意点も解説していきますね。

強み

自己PRでは、まずは自分の強みを述べるようにしましょう。話の結論から述べることで、何を言いたいのかをすぐに相手に理解してもらうことができます。

ここでは「聞き上手です」と述べても良いですが、聞き上手はほかの学生も多く使う強みのため、これだけだとアピールとして少し弱いかもしれません。

言い換え表現を使って差別化を図ろう

「聞き上手」で差別化を図るには「その聞き上手がどのようなものか」を考えることが重要です。一口に「聞き上手」と言っても、その捉え方は「相手の話を引き出せる」「話の本質をとらえやすい」などさまざま。

自分の「聞き上手」がどんなものかを示すことで、差別化につながるだけでなく自分がどういう人間なのかを企業に理解してもらいやすくなりますよ。

自己PRの書き出しには、多くの就活生が悩むもの。こちらの記事では、自己PRの書き出しを魅力的にするためのノウハウを解説しています。ぜひ確認してみてくださいね。
自己PRの書き出しは超重要！ その理由と書き出しテクニックを解説

自己PRにタイトルを付けると、効果的なアピールをしやすくなります。タイトルの作り方については、こちらの記事をチェックしてくださいね。
刺さる自己PRのタイトルを作る3つの秘訣｜例文15選で徹底解説

エピソード

自己PRを効果的にアピールするには、強みを発揮したエピソードを併せて伝えることが欠かせません。「聞き上手だ」ということは誰にでも言えますが、本当に聞き上手な人ならばそれを発揮したエピソードが必ずあるからです。

過去の経験を振り返って、聞き上手を発揮したエピソードを考えてみましょう。聞き上手は相手がいなければ成り立たない強みです。その中でも「聞く」ことが重要になるのは、相手が自分に対しよく話しかけてくる状況や、さまざまな意見が飛び交う状況です。

エピソードが思い浮かんだら、以下の注意点を満たしているかを確認しておきましょう。

相手がいてこその聞き上手！ 他人からの評価を用意しよう

先ほどもお伝えした通り、聞き上手は自分に話をする相手がいなければ成り立たない強みです。そのため、自分が「聞き上手」だと感じた経験に対し、他者からの感謝や評価を盛り込むことが欠かせません。

アドバイスに対し友人が「感謝していた」「助かった」などのプラスな評価があれば聞き上手のアピールになりますが、評価がなければもしかすると友人はアドバイスを求めていたわけではないのかもしれませんよね。それは聞き上手であるとは言えないでしょう。

他者からの感想や評価はあなたが聞き上手であることを裏付ける一つの要素にもなり得ますよ。

ただ聞くだけはNG！ 主体的な行動も盛り込もう

たとえばグループワークで「発言せずに周りの話を聞いている」だけでは「自分の意見がないのかな」と思われてしまいます。話を聞いた上で「折衷案を出した」「意見をまとめる決め手を提示した」など、自分も話し合いに加わった様子を示さなければなりません。聞き上手をアピールする際は、そのようなエピソードも一緒に盛り込めると良いでしょう。

自己PRのエピソードでアルバイト経験をアピールする方法については、こちらの記事で詳しく解説していますよ。
アルバイトの自己PRで面接官の心を掴め！ 14例文付き作成方法解説

自己PRで、部活動での経験をアピールしたい就活生も多いでしょう。そのような方は、こちらの記事をチェックしてくださいね。
自己PRにおいて部活経験は最高の素材｜例文13選付きで徹底解説

締め

自己PRの最後は、聞き上手という強みを企業でどう活かせるかを伝えましょう。企業は自社に貢献してくれる人を求めています。そのため、自分の強みが何かを知らせるだけでなく、自分が入社した際にはどう企業に貢献できるかを述べ、採用メリットを感じさせることが必要です。

ここでのポイントは企業での再現性を示すこと。たとえば、販売職の仕事は来店した顧客に対し話を聞くことで、顧客が求めている商品を提案することですよね。聞き上手を活かして「相手の立場に立って話を聞くことで、顧客のニーズをつかみ最適な商品を提案する」などと述べると良いでしょう。

自己PRの構成については、こちらの記事で詳しく解説しています。合わせてチェックし、自信もってアピールできる自己PRを作りましょう。
例文14選｜自己PRは構成次第！ 3ステップで響くアピールしよう

自己PRが思いつかなかったり、うまくつくれないときはぜひこちらの記事を参考にしてください。
自己PRがない？ それなら「知る・探す・作る」の3ステップで解決！

聞き上手に説得力を持たせるために！ 面接で気を付けるポイント

聞き上手をアピールする際は、自己PRだけでなく面接の場でも矛盾がないよう注意しましょう。面接は自分が話すだけでなく、面接官の話を聞く時間もあります。そんなときに、聞き上手が強みだとアピールしているのにもかかわらず、まったく聞き上手な様子が見られなければ「この学生は本当に聞き上手なのかな」と不審に思われてしまうかもしれません。

姿勢や表情を意識する

面接では基本的に座り方などの姿勢や表情などに注意が必要ですが、聞き上手な人は特に心掛けておきましょう。聞き上手な人は雰囲気がやわらかく、いつでも優しい表情なイメージがありませんか。そんな人には自分から話しかけたくなるものですよね。

面接の場では緊張してしまうという人は、口角を上げることだけでも意識しておきましょう。無理に笑顔が作れなくても、口角を上げるだけで表情が和らいで見えますよ。

また、聞き上手な人は「あなたの話を聞きたい」というアピールを姿勢から見せるものです。

適度に相槌を挟む

聞き上手な人は相手の話を引き出すのがうまいもの。そして相手の話を引き出すのに欠かせないのが相槌です。

誰しも、自分の話を真剣に聞いてくれている相手がいればうれしくなるものですよね。面接官が話しているときは適度に相槌を挟むようにしましょう。

ただし、何も考えずに相槌を打つのは少し危険です。その相槌が原因で相手を不快にさせる可能性もあるので注意しましょう。

相手の話には少しだけ大きく反応する

相手の言ったことに対して反応すると、しっかり話を聞いていることのアピールにつながります。このときは「少しだけ大きく」反応することがポイントです。何かしらの快挙や賞を受賞していたり、相手が少し面白いことを言った際は少しだけ大げさに反応するようにしましょう。

面接官の名前を覚えて使う

出会ったばかりの相手に名前を呼ばれると、嬉しい気持ちになったことはありませんでしたか。会話の中で人の名前を呼ぶことは、相手と自分との距離を縮めるのに有効です。

面接の場において面接官の名前を呼ぶ機会は多くありませんが、逆質問のときに呼んでみると良いでしょう。逆質問では企業のことだけではなく面接官に関する質問もしますよね。そのときに「○○さんは～」と積極的に名前を取り入れて質問してみましょう。

面接の自己PRでは、3分間の時間を指定されることもあります。詳しくはこちらの記事を確認しましょう。
例文8選｜3分の自己PRを最大限活かすコツやありがちな失敗を解説

面接で好印象を残すためには、目線の工夫が大切です。こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてくださいね。
印象がぐっと良くなる面接中の目線の送り方｜Web面接対策も解説

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聞き上手をアピールするときの例文

例文①人の話を引き出す

自己PRの内容を例文のようにわかりやすくまとめるためには、1分で自己PRをまとめるという方法も効果的です。内容が要約され、魅力が伝わりやすくなります。1分にまとめる方法についてはこちらの記事の解説が参考にしてください。
例文付き｜心を掴む1分の自己PR！ 秒数で区切る要約術で選考突破

例文②相手の気持ちに寄り添って話を聞く

例文③異なる意見をまとめる

例文④人の話に助言をする

例文⑤人の悩みや問題に気付きやすい

ポイントを意識して聞き上手を効果的にアピールしよう

聞き上手はコミュニケーションに欠かせない以上、アピールする強みとして非常に有効なものです。しかし、せっかくの聞き上手も企業によってはプラスにならないところがあったり、エピソードの選び方によってはむしろ聞き上手ではないのではと思われることもあるため注意が必要です。

違った印象を与える可能性があるのは、「聞き上手」だけではありません。どんなことでもプラスの印象に結び付く可能性を秘めています。以下の記事では「心配性」を長所としてアピールする方法を解説しているので、気になる人はチェックしてみてください。
心配性は長所になる｜心配性のアピール方法を5タイプに分類して解説