信条の例文15選!就活で評価されやすい信条の答え方を徹底解説

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目次

就活では「信条」を答えられるようにしておこう

「信条を聞かれたときは、何と答えたら評価につながりますか?」
「信条と自分の強みって、どう違うんですか?」

就活の準備を進める学生から、このような質問を多く受けています。「信条」と聞くと難しそうなイメージを抱きがちですが、簡単に言えば普段の行動の軸となっている考え方のことです。多くの企業で学生の考え方を知るために信条について聞かれますが、しっかりと自己分析をしていれば自信をもって答えられます。

信条とはどういう意味なのか、そして自分の信条をどうまとめれば良いのかをこの記事でチェックして、エントリーシート(ES)に書く内容や面接で話す内容を考えてみましょう。

信条を答えるときの注意点や面接で高評価につながりやすい例文も紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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まずは信条の意味を押さえよう

信条とはの画像
出典:デジタル大辞泉(小学館)

「信条」という言葉がどういう意味なのか辞書を引いてみると、堅く信じて守っている事柄や信仰上の教義または行動規範と書かれています。もともとはキリスト教の宗教用語ですが、考え方の軸という意味あいも含まれています。

そのため、日常生活やビジネスでは「正しいと信じて、実践している行動」という意味で信条という言葉が使われるのが一般的です。行動のベースになる考え方のことなので、価値観にも通じるといえるでしょう。

意外と知らない? 「信条」と「信念」の違い

信条と信念の違いの画像

「信条」と「信念」は、ともに正しいと信じていることを意味しますが、厳密には少しだけ意味が異なります。

信念の「念」という漢字には現時点で望んでいること、あるいは自分が信じている考え方という意味を含んでいます。「観念」「念願」という言葉もあり、どちらかといえば自分の内面のステータスを示す言葉です。

一方、信条の「条」という漢字には、物事の道理・すじみちという意味を含んでいます。このことから、一般的に信条は行動が伴った考え方を指します。

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信条のビジネスでの使われ方

企業研究をしている時に、会社概要で「信条」という言葉を見たことがある人もいるでしょう。顧客や株主などのステークホルダー、そしてこれから働く人に対して、企業の考え方や行動基準を「信条」という形でわかりやすく示しているのです。

ビジネスのどんなシーンで「信条」という言葉が使われているのか、もう少し詳しくチェックしてみましょう。

企業が信条を掲げることがある

従業員の行動目標や顧客への約束事を「信条」という形で掲げる企業もみられます。たとえば東武鉄道株式会社では、次のような信条を掲げています。

企業の使命を自覚し 誇りと自信をもって職責を完遂しよう

輸送の安全 正確 迅速を期し 社会の信頼にこたえよう

伝統をいかし 創造と開発につとめ 社業の発展をはかろう

礼節を重んじ 規律を守り 協力して 明るい職場をつくろう

技能をみがき 知性を深め 品位の向上につとめよう

引用:東武鉄道株式会社 企業情報 社是・信条

信条は企業のミッション(使命)や経営方針につながっていることがわかります。この例のように、会社としての行動基準が明確になっていれば、配属される部署の役割や社員一人ひとりがとるべき行動がはっきり見えてきますよね

これからエントリーする会社の信条が、自分の信条とマッチするかどうかをじっくり考えてみるといいでしょう。

従業員の信条や行動指針「クレド」が使われることも

日本でも、企業の信条や行動指針を「クレド」という形で、従業員に具体的に示している企業が増えてきました。世界各地でホテルを運営しているザ・リッツ・カールトンでは、世界のすべての従業員に以下のようなクレドを示しています。

リッツ・カールトンはお客様への心もこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。

私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだ、そして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。

リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。

引用:ザ・リッツ・カールトン「ゴールドスタンダード」

従業員が果たすべき役割・取るべき行動がはっきりしていますね。「クレド」「行動指針」と聞くと堅苦しいと感じる人もいるかもしれませんが、こうした指針があることで従業員の想いが一つになり、優れた結果を生み出すチームワークにつながります

キャリアアドバイザーコメント

企業の信条と学生の信条の合致は、組織の適切な意思決定につながる

信条は、異なる価値観を持つ人々が一緒にビジネスをおこなう際に、行動の判断基準になる根源です。判断に迷った際、「Aさんがこう言っていたから」という俗人的なものではなく、「企業の信条に基づいていると判断したからこの行動をとった」という理由付けをおこなうことができます。

一般的には、一昔前の日本では近年ほど「企業の信条」が重視されずとも経営が機能していたと言われています。なぜなら、「日本人かつ大卒かつ男性」が総合職の多くを占めており、目に見える違いには大差がないので価値観もある程度同じであろうと考えられていたからです。

しかし、当たり前ですが、世の中に生きている人の中で自分と見た目も考え方も「まったく同じ」人はいませんし、企業で働く人の属性もどんどん多様になってきています。育ってきた環境も見た目も異なる人達を結束させるために、近年ますます信条が重要視される傾向があります。

会社で働いている間はこの信条に基づき行動をしていきます。逆に言うと、信条に少しでも疑問を感じたら適切な意思決定をおこなうことが難しくなってしまうでしょう。企業は、就活生がどれくらいこの信条に対して共感をしているかどうかを知りたいと思っています。

キャリアアドバイザーコメント

信条は多くの社会人が自然に持っているもの

社会人は、ビジネスを通じて経験する失敗や成功から、自然と各自の信条が構築されていきます。

たとえば、「自分にはまだできない」と思われる難しい任務を会社から与えられたとします。最初は不安でいっぱいでしたが、チャレンジした結果なんとか遂行できました。すると、このような経験が自信となって「不安を感じるときは成長のチャンスだ」と捉え、新しいことに挑戦するようになります。これが、経験から得た自身の行動指針であり、一つの信条ですね。

つまり、失敗や成功を繰り返す中で、自然と信条を持って仕事に取り組むようになるのです。就活生に信条を質問するのは、「学生時代の経験や学びを、その後の行動に反映できるか知りたい」「普段から自分の考えを持っているか知りたい」「会社の信条と同じ方向性か確かめるため」などの理由もあります。すなわち、「経験を行動に反映できること」「自分の考えがあること」が求められているとも言えますね。

就活で信条が問われる2つの理由

面接やESで信条が問われる理由の画像

信条はその人の考え方や生活環境・出会った人などによって変化するものであり、人それぞれに異なります。日本国憲法では「思想・良心の自由」が明確にうたわれており、信条について他人から口出しされないことが保障されています。

それにもかかわらず、就活で仕事における信条を質問されるのはなぜでしょうか。面接で的確な回答をするためにも、質問の意図を押さえておきましょう。

①人柄や考え方を知りたい

信条は人柄や行動を裏付けるものとなるため、企業や面接担当者は大きな関心を持っています。

ESで信条に関する質問があった場合、企業は十分に自己分析をしたのか、就活の軸がブレていないかどうかなどを文章の中から判断しようと考えています

また、面接で信条について質問された場合は、信条を自己PRなど他の質問への回答と比較し、考え方や価値観が一貫しているかどうかをチェックしようと面接担当者は考えています。

キャリアアドバイザー)企業は就活生に信条を質問することでその人の価値観や考え方を理解して、社風に合っているか、他人と適切にコミュニケーションがとれる人なのかなどを見極めようとしているのですね。

➁企業でどう活躍してくれるか知りたい

面接官は信念に関する質問を通じて、入社後に活躍してくれる人物かどうかも判断しようとしています。「信条」という言葉を使わずに「仕事で大切にしていること(したいこと)は何ですか」という形で質問される場合も少なくありません。

学生が回答した内容から長く働き続けてくれる人なのか、仕事で困難や課題に直面した時に乗り越えられる人なのかなどが評価されます。人柄と考え方、そして入社後に成長できる可能性を考慮しながら内定の可否や配属部署などが決定されるのです。

キャリアアドバイザーコメント

ある程度選考が進んだ段階では信条を問われやすい

「この業界は信条を問われる」という明確なものはありませんが、ある程度選考が進んだ段階で信条を深く問う場合が多いです。できるならば、企業は最初から就活生の信条を深い部分まで知りたいと思っています。

直接信条を問われるのは最終段階でも、最初から間接的な質問をされている

しかし、信条を深く知る、ということはその人の生い立ちでどのような経験をして、何を学び、それが今にどのようにつながっているのか、将来はどのようなことをしたいのか、などたくさんの質問をしていかなければいけません。現実問題として多くの就活生の応募がある中で、こうしたことを1人ひとり丁寧に見ていくことは非常に難しいです。

そのため、選考の初期段階では信条を直接問うことはせずにガクチカや自己PR、また、就活の軸や志望動機を見ながら、「このような考えの人かもしれない」という想像をするに留めています。「信条を直接問われない」と思っても、こうした質問から就活生の信条を想定している、と考えると、ある意味ではすべての業界で最初から信条を問われていると考えることもできるかもしれませんね。

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信条は志望企業とのマッチがカギ

まず前提として、人それぞれ経験していることも違えば、信条も異なります。そういった中で、「企業の信条に共感できる人材を集めて同じ方向へ向かっていきたい」というのが企業が会社の信条を唱える目的です。

そのため、最終的には、企業として掲げている信条や行動指針とマッチするかどうかが重要になってきます。信条を質問されるのは、多くの場合、その就活生に興味・関心があり、その就活生への理解をより深めたいタイミングです。

特に、行動指針や行動目標をホームページに掲載している会社は、学生に対して最終面接で学生の信条を問う可能性が高くあります。そのため、志望する会社の行動指針などを知った上で、自分の信条を把握しておくことが大切と言えますね。

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就活における信条の考え方のコツを押さえよう


就活生)企業に評価されやすい就活向きの信条があるのでしょうか?


キャリアアドバイザー)基本的には個人の考え方ですが、就活で聞かれているのですから、仕事に関係するものを選ぶと良いですね。

信条は自分の行動や考え方の軸となるものなので、自己PRのツールとしても活用できます。そのため就活では、企業に入社して仕事をしている姿をイメージしながら信条を形づくっていくことが大切です。

入社後のイメージがプラスされることで、自己分析や企業研究に念入りに取り組んでいることもアピールできます。信条について質問された時に答える内容の作り方を、具体的に考えてみましょう。

仕事の信条を考える

面接やESで信条を聞かれたときは、基本的には仕事に関する信条を答えるべきです。わかりやすいよう、「仕事をする上で大切なことは何ですか?」「あなたにとって仕事とは何ですか?」という質問で仕事の信条を確認されることもあります。

主に仕事への意欲や責任感について答えることになりますが、多くの学生が質問される内容なので回答には工夫が必要です。自分の考えを具体的に答えることで、人柄や考え方を印象づけることができます

例文

  • ×「私の信条は責任感を持ってやり遂げることです。」
  • ◎「私の信条は責任感を持ってやり遂げることです。手に負えないと感じても、一人で抱え込まず、仲間や先輩と情報を共有し、ときには助けてもらいながら最後までやり遂げます。」

生活信条を仕事に結びつける

仕事の信条と言われても、まだ社会人として仕事をしたことがないとイメージしにくいかもしれません。そんなときは、生活信条を入社後の仕事に結びつけて考えるのも一つの方法です。

生活信条とは、普段の暮らしで意識して取り組んでいることや自分にとっての価値判断のルールのこと。普段から親に言われている言葉や自分なりに心掛けていることをリストアップして、仕事にも活かせる内容がないか考えてみましょう仕事に通じる生活信条の例

  • 挨拶はきちんとする
  • 困っている人がいたら助ける
  • 人には笑顔で接する
  • 何事もチャレンジあるのみ

「何事にもチャレンジする」という生活信条は、自己PRの材料にもできますよ。チャレンジ精神のアピール方法についてはこちらをチェックしましょう。
チャレンジ精神の闇雲なアピールは危険! 注意点と作り方を徹底解説

企業に貢献できる内容にする

信条の内容が企業の利益に貢献するものであれば、企業にとって採用する価値がある人材ということになります。しかし、アルバイト以外での仕事経験が少ないと、自分のどんな部分が企業の利益につながるか悩んでしまいますよね。

そんなときは、仕事をするうえでの姿勢や周囲との協調性をアピールすると、企業にとってメリットがある人物だと理解してもらいやすくなります企業に貢献できると評価されやすい信条の例

  • 最後まであきらめない
     →こまめに行動して成果につなげる)
  • 成長に対して常に貪欲である
     →課題解決のために貪欲に知識を得る) 
  • 誰も見ていない場所でも気を緩めない
     →テレワークでも真面目に仕事に向き合う

ことわざや四字熟語を使って表現するのもOK

自分の信条をうまく表現できない場合や説明するのに時間がかかりそうな場合は、ことわざや慣用句・四字熟語を使ったアピールも効果的です。

その言葉を選んだ理由やエピソードを具体化していくと、自分の信条に深みが出て説得力も増します。面接官にも伝わりやすく、印象に残りやすくなるので、自分の信条に合うことわざや四字熟語がないか探してみましょう。信条をあらわす四字熟語の例

  • 創意工夫
  • 切磋琢磨
  • 用意周到
  • 有言実行

信条をあらわすことわざの例

  • 初心忘れるべからず
  • 継続は力なり
  • 先んずれば人を制す

キャリアアドバイザーコメント

思い浮かばない人は逆説的に信条を考えてみよう

言っていることはわかるけれども信条が思い浮かばない、という人はもう少し逆説的に考えてみましょう。どういうことかと言うと、信条が思い浮かばないということは信条を考えずとも行動ができた、ということです。それは、無意識的に「まずはやってみる」「考えるより行動」「なんとかなるという楽観的な考えを大切にする」という思いがあるからかもしれません。

また、そのときどきによって自分の判断軸が変わっているような人は、「周囲の状況に合わせる」「利他の精神を大切にする」「常に柔軟に行動する」ということが根底にあるからかもしれません。表面的に思い浮かぶ行動や考えを集約させると、結局言いたいことはこれだ、というものに辿り着くことができるので、ぜひ手を動かして考えていきましょう。

キャリアアドバイザーコメント

信条は日常の行動にも表れているもの

なかなか信条が思い浮かばない人は、普段の行動を振り返ってみましょう。

たとえば、大学の授業は年間欠席なし、遅刻なし、課題は締め切り前に余裕を持って提出するなどが考えられます。自分では当たり前だろうと思っていることも、実はそれができる大学生は多くありません。時間を守る、真面目に行動する、などということは社会人になっても大切なことですので、信条にすることができますよ。

その他に、サークルやアルバイトで人間関係に悩みはなく楽しめている人や、友達が多い人は、どんな人とでも壁がなく話せるなどのコミュニケーション能力があると考えられます。明るい雰囲気になるように心掛けている、人の気持ちを考えて行動している、など普段から自然としている行動や心掛けがあることでしょう。

社会に出ると、コミュニケーション能力がいかに重要かということを思い知らされます。もし人と関わるにあたって、そのために普段から考えていることがあれば、それは立派な信条と言えます。自分自身で考えても分からない場合は、友達や家族に聞いてみると客観的な意見をもらえて自分の信条を知るヒントを得られるかもしれません。

就活で信条を答えるときの注意点

就活で信条を答えるときの注意点の画像

仕事における信条は誰にとっても納得できるような、わかりやすい内容である必要があります。個性をアピールしたいと考える余り、こだわりの強い偏った信条や本心にはない思いを伝えると逆効果になってしまいます。

なお、厚生労働省では「採用選考時に配慮すべき事項」を定めており、宗教や家庭環境など特定の事柄をエントリーした人から聞き出さないよう配慮を求めています。そのため、学生が伝えた内容によっては面接担当者が話題を変えてきて、結果的に十分なアピールができなくなる場合がある点にも注意しておきましょう。

宗教的信仰や思想に関する内容は避ける

宗教に関する考え方は人によって大きく異なり、発言の内容によっては入社後に対人トラブルに発展するリスクも潜んでいます。面接担当者によっては、宗教の話をすることで社内で布教活動をする人物だという印象を抱く可能性もあります

そうした誤解を生まないためにも、信条の話をする際は、普段の生活や学生生活・アルバイトといった誰にでも当てはまる話題を選んだほうが無難です。

個人的で理解されにくいこだわりは話さない

他の学生との差別化を考えてオリジナリティあふれる信条を話そうと考える学生もいますが、就活の場では逆効果になってしまいます。

面接は短時間かつ複数の担当者でおこなわれることが多く、話した内容がわかりにくいと判断されると、選考に残れない可能性もあります。採用後の早期退職やコミュニケーション不全などのリスクを考えて、採用しないという判断を下されるかもしれません。


キャリアアドバイザー)お互いの個性を深く知るためには長い時間が必要です。短時間で人柄を伝える必要のある就活で信条を話す際はわかりやすさを重視するようにしましょう。

本心でないことを言わない

面接を受けた学生から、「自分を良く見せたくて、エピソードをオーバーに話した」「面接担当者に深掘りされたくないから、質問に嘘の回答をしてしまった」という報告をときどき受けます。

本心ではないエピソードを話すと、面接中に担当者から深掘りを受けたときに考えがブレてしまい、選考で不利にはたらいてしまいます。内定を獲得できたとしても、入社前後のギャップが上司や人事担当者にバレてしまうと自分が苦しい思いをします。

第一志望の企業から内定を得るためには、自分が思ったことを偽ったり隠したりせず、自分の言葉で本心から話すようにしましょう。

キャリアアドバイザー)ESの内容と照らし合わせて質問される場合も多いので、作成したESは忘れずにコピーをとっておきましょう。

それぞれの企業の社風に合った信条を選ぼう

どんなに良い信条であっても、企業の理念・ビジョンや応募職種に関係のない内容では面接官に印象づけることはできません。その信条を持った自分を採用することで、企業にどのようなメリットがあるのかが明確であるほど、評価されやすくなります。

OB・OG訪問、インターンシップなどを通じて社風を十分に研究し、企業にマッチした信条の伝え方を考えるようにしましょう。企業と学生との間で考え方が一致すれば、志望している企業から内定が得られる可能性が高まります。

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信条の回答はビジネスに関係するものを選ぶのがポイント

抽象的でビジネスに関連しづらい信条を伝えるのは避けましょう。特に、アバウトなエピソードの場合には抽象的でビジネスの話に展開しづらい内容になります。

たとえば、「世界平和のためにいつも人に優しくすることを心掛けています。」などがこれにあたります。まず、「世界平和」というのとビジネスは直接関連しづらいワードですよね。また、「人に優しくする」というのは悪い信条ではありませんが、非常に抽象的でビジネスでの活かし方が見えてきません。

「相手の立場に立って行動して、お互い気持ち良くなる行動を心掛けている」などと具体的に言い換えれば、仕事でも活かせそうな信条として、相手にイメージしてもらいやすくなります。このように、信条を伝える際は、あくまでもビジネスでも活用できるようなことについて、具体的に伝えることを意識しましょう。

信条の類義語や言い換え表現を知ろう

信条の言い換え表現の画像

企業によっては、学生の信条について「あなたのモットーは何ですか?」「あなたの座右の銘は何ですか?」という質問してくる場合があります。微妙に言葉のニュアンスは異なりますが、学生の人柄・考え方や企業で貢献してくれる可能性を確認しようとする意図は共通しています。

モットー・座右の銘それぞれの言葉の意味も押さえておきましょう。

モットー

モットーとは、個人や企業・団体の考え方や行動指針などを簡潔に示す言葉です。このうち、組織のモットーをあらわすものは「スローガン」と呼ばれることもあります。就活の場面では、信条・座右の銘と同じ意味の言葉と考えて問題ありません。

「あなたのモットーは?」と質問されたときは、「どんな考えで学生生活を送り、就活に取り組んでいるのか」「入社後に実現したいことは何か」を意識して答えるようにすると良いでしょうモットーの例

  • 自分の心を偽らない
  • 日々の努力を惜しまない
  • 今日できることは今日おこなう

座右の銘

座右の銘とは、自分が生きていくうえで大切にしている言葉のことをいい、ことわざや故事成語から選ばれることが多いものです。「道なき道を切り拓く」のような慣用句や、自分の言葉で表現した言葉であってもかまいません。就活の場では、学生の個性や行動を判断するための軸を見極めるために座右の銘についても質問されます。

座右の銘を問われたときには、四字熟語やことわざを引用してわかりやすく伝える必要があります。自分オリジナルの言葉を座右の銘としている場合は、その言葉を選んだ理由を詳しく説明するようにしましょう。座右の銘の例

  • 一期一会
  • 百戦百勝
  • 努力は人を裏切らない

座右の銘についてもっと詳しく調べておきたい人は、ぜひこちらの記事も合わせてチェックしておきましょう。
「座右の銘」を活かした面接攻略法! 厳選40個のリストと例文つき

面接で評価されやすい信条の例文15選

ここからは面接で信条について質問された時の回答例を、面接担当者に評価されやすい理由と一緒に紹介します。

具体的なエピソードを交えながら、成功体験や課題を乗り越えた結果などをアピールすると効果的です。そして、エントリーした企業で自分がどのような形で貢献できるかという話につなげていきましょう。

明るく元気

新卒社員に、組織に新しい風を吹き込んで活気を呼び込む役割を期待している企業もあります。そのため、明るさ・元気さは新卒社員にとっては絶好のアピールポイントです。明るく元気な人は人に好かれやすく、周りの雰囲気も良くしてくれますよね。

元気が好印象といっても、面接時にあまりにも大きな声で話すと逆効果になる可能性があるので、会場の大きさや話す内容によって声の大きさをコントロールしてくださいね

回答例

例文

出会った人に明るく元気に対応することが、私の信条です。高校2年生の夏から自宅近くのコンビニでアルバイトをしていますが、アルバイトを始めて間もない頃は立ち仕事に慣れていなかったので、お客様が来店してもしっかり挨拶できないときもありました。

そんな時、いつも来てくださるお客様が「明るく元気に対応すると、相手にやる気が伝わって心を動かすんだよ」と教えてくれたのです。店長や先輩にアドバイスを受けながら、お客様の姿を見て挨拶したり、問い合わせに明るい表情で対応したりすることを心がけているうちに、明るく元気な対応が身について大学2年生の秋にコンビニの本部から表彰されました。

どんな時でも、明るく元気な自分でいようと意識することが大事だと考えて、毎日の行動に活かしています。

キャリアアドバイザー)明るく元気に接するようになったきっかけや表彰されたことが述べられていることで説得力が増しています。理想の自分であろうと意識して努力している様子が伝わりますね。

笑顔で挨拶をする

挨拶は社会人として必ず求められるマナーです。笑顔と共に挨拶をすれば「気持ちが良い人だ」「話しやすい人だ」といった好印象につながります。

たとえ毎日顔を合わせる人だとしても、挨拶を省略してしまうと相手が気を悪くしたり、「何か悪いことをしたかな」と誤解を与えたりするかもしれません。たとえ実際に上司や同僚と気まずくなるようなことがあったとしても、挨拶をきっかけに前向きな気持ちに切り替わることも多いので、自分から挨拶するように心がけましょう

回答例

例文

私の信条は、いつも笑顔で挨拶をすることです。駅近くのカフェでアルバイトをしているのですが、ある日挨拶をせずに無表情で接客してしまった姿を父に見られてしまいました。

家に帰ってから「挨拶だけで人の気持ちを動かせるんだ。仕事の運命だって変わるかもしれないぞ」と父から厳しく指摘されたのをきっかけに、意識を変えて、いつでも笑顔で挨拶すると心掛けるようにしました。

するとお客様から「この店の店員は挨拶が気持ち良い」と声を掛けられるシーンが増え、店内の雰囲気もとても良くなりました。入社後は多くの人と出会いますが、笑顔で挨拶を基本にして会社とお客様の心のかけはしになりたいです。


キャリアアドバイザー)挨拶ひとつで「今日も1日、よろしくお願いします」「今日もあなたと会えてよかったです」などという気持ちが伝えられます。その大切さを知っていることがアピールできる例文ですね。

人の話をきちんと聞く

人の話をきちんと聞いて内容を正しく理解することは、仕事をするうえで必要不可欠な姿勢です。話の聞き方が不十分だとミスにつながり、会社の損失につながる可能性もあるのです

新卒社員が仕事や社会でのルールを覚えていく中で、上司や先輩、時には顧客から注意や指導を受ける場面が必ず出てきます。大切なのは、そうしたときに話をきちんと聞いて改善する姿勢があること。この姿勢を信条として語ることで、成長できる人材であるということをアピールできます。

回答例

例文

私は、人の話をきちんと聞くことを信条としています。学生時代は家庭教師のアルバイトをしていましたが、なかなか成績の上がらない生徒がいました。生徒に話を聞いてみると「毎日勉強しているのに、母親が勉強が足りないと言い張るのでやる気が下がる」と言うのです。一方、母親に話を聞くと「せめて80点は取ってほしい」と要望されました。

現状の30点から一気に80点を目指すのは大変なので、毎回のテストで10点ずつ上げていき、1年後に80点を目指す作戦を生徒と母親に提案し、個別のカリキュラムを作って指導するようにしました。生徒の頑張りもあって1年後にはクラスで3位の成績を取れるようになりました。

この経験から、一方だけでなくすべての関係者から話を聞いて、課題の解決案を考えていくことが大切だと学びました。入社後にもこの信条を活かしていきたいです。


キャリアアドバイザー)人の話を聞いた結果、どのような行動に起こしたのか、具体的に述べられた例文です。計画性や責任感も同時にアピールすることができています。

人の話をきちんと聞くことが信条の人の中には、聞き上手な人も多いでしょう。聞き上手を自己PRでアピールする方法については、こちらを確認してくださいね。
自己PRで聞き上手は受動的?|魅力的にアピールするコツを解説

プラスαで答える

仕事では言われたことをこなすだけでなく、会社や自分ができることを幅広く提案する姿勢が求められます。指示を受けた理由や仕事をした後の流れも考えて対応すると、仕事の効率が上がるだけでなく顧客満足にもつながります

プラスαで答えるという信条は、こうした社会人として重要な積極的な姿勢をアピールすることができます。

回答例

例文

私は、常にプラスアルファの行動をすることを信条としています。学生時代はラーメン店でアルバイトをしていましたが、お客様の状況に合わせて先読みした対応をするように心掛けていました。

子ども連れのお客様には子ども用の食器をお持ちする、カウンターで支払うのが大変そうなお客様には会計を席で対応するなど、柔軟な対応を実践しているうちに、お客様に笑顔で「ありがとう」と声をかけていただくことが増えました。すると、ただ言われた業務をこなしていた頃よりも、仕事が楽しくなりました。

入社後は常に顧客の身になって物事を考え、できること・できないことを確認したうえでベストの提案を出していきます。


キャリアアドバイザー)プラスαの行動をすることで、「自分の仕事も楽しくなる」というメリットを理解していることが伝わる例文です。仕事ではきちんとできることを確認してからおこなうことも大切ですね。

すぐに対応する

仕事には期限が設定されており、内容によってはスピーディーな対応が求められる場面も多いものです。すぐに対応するという信条は、物事を考えて反応するスピードが速いというだけでなく、素直さや行動力などさまざまなアピールポイントにつながります

なぜ「すぐに対応する」ことを信条とするに至ったのかという理由も交えながら、具体的なエピソードと共に述べると説得力が増します。

回答例

例文

私の信条は、可能な限りスピーディーに物事に対応することです。学生時代は居酒屋でアルバイトをしていましたが、駅前でいつも繁盛する店舗だったためドリンクやフードなどをいかに早く提供するかを常に意識していました。自分自身、飲みに行くのが好きで、スピーディーな対応をされると心地良いと感じていたからです。

そのため、各テーブルの状況を細かく観察するように心掛けました。グラスにドリンクがなくなりそうだと早めにオーダーを聞きに行ったり、時間のかかる人気のフードは「本日のおすすめです」と提案して来店直後の注文を促したりという工夫をしていました。

また、お客様から声がかかったときは自分が率先して動くだけでなく、仲間に声をかけて素早くリクエストに応えるように努力していました。その結果「この店は流行ってるのに、自分のペースに合わせてドリンクを出してくれる」と口コミで評価され、達成感を覚えました。

入社後も上司や先輩の指示に沿いながら、可能な限りスピーディーな対応を意識して仕事に取り組みます。


キャリアアドバイザー)単に慌てて対応するだけでは、良い結果につながりません。この例文では、スピーディーに対応するためにおこなった工夫が述べられているため、好印象が持てますね。

計画的に行動する

チームワークでおこなう仕事は、行き当たりばったりではなく、計画的に行動する姿勢が不可欠です。

計画的な行動ができるという信条は、優先順位の判断やリスクマネジメントといったビジネスに欠かせない考え方を持っていることのアピールにもつながります。課題に直面したときに、順序立てて解決への道筋を立てていった経験も計画的な行動のエピソードになりますよ。

回答例

例文

私は、計画的に行動することを信条としています。大学時代は学業だけでなくアルバイトや資格取得への勉強にも取り組んでいましたが、すべてにベストな結果を出せるように時間配分を意識していました。

具体的には、講義前に図書館で資格取得の勉強をし、帰宅後はその日のうちに講義を振り返ることで効率的に身につけるというサイクルを実践していました。

その結果、試験前に慌てて勉強する必要がなかったためアルバイトでのシフト変更にも柔軟に対応でき、高く評価されただけでなく、資格試験にも合格することができました。もちろん、大学の学業でも好成績を収めています。

入社後はさらにマルチタスクが求められる場面が多くなるため、仕事の順序を工夫しながら、最大限の成果が出せるように努力します。


キャリアアドバイザー)計画的に仕事がこなせることは社会人としては当然のスキルです。計画的におこなったことで、良い成果を出せたことをアピールすることで、有益な人材であることを印象付けられます。

できることを自ら探す

仕事をする上で、今の自分にできることを探す姿勢はとても大切です。上司や先輩から仕事を指示されたとしても、具体的な手順まで教えてくれるとは限りません。時には「自分で考えてみなさい」と促されることもあるでしょう。

できることを自ら探すという信条は、自律性や応用力、さらにはチャレンジ精神があるというアピールにもつながります

回答例

例文

私の信条は、今の自分にできることを積極的に探すことです。大学時代はソフトテニスサークルに所属していましたが、私以外のメンバーは中学・高校からソフトテニスをしている人ばかりで、自分の未熟さに戸惑ってばかりでした。

しかし、それで腐っていては誰のためにもなりません。他のメンバーがプレーを楽しむ姿を見て、少しでも上達するためにコート整備や球拾いに積極的に参加し、その間に経験者の仲間に上達の秘訣を質問していました。空いた時間にも動画を見たりして、周りの人に意見を聞きながら自分なりにフォームの作り方やラケットの打ち方などを練習しました。

結果的に他のメンバーと同じレベルまで上達することはできませんでしたが、あるメンバーから「いつも前向きなあなたがいたから、楽しいサークルだった」という言葉をもらえました。入社後も今の自分にできることを貪欲に探し、少しずつ仕事の幅を広げていきたいです。


キャリアアドバイザー)できることを自ら探す積極性を持つ人がいると、周りも影響されて良い空気が生まれます。大きな結果にはつながらなかったにせよ、人に良い影響を与えられたという成果が伝わる例文です。

ポジティブに考える

難しい場面に直面しても、ポジティブな考えを持つ人であれば、周りも一緒に頑張ろうという気持ちになれます。反対に、いつもネガティブな考え方だと、「この人にお願いして大丈夫かな」と心配になりますよね。

ポジティブに考えるという信条は、業界・職種を問わずどんな仕事でもアピールにつなげることができます。

回答例

例文

私の信条は、物事をポジティブに考えることです。学生時代にコールセンターの長期インターンに参加したのですが、お客様の中には商品内容を理解するのに時間がかかる方や厳しいクレーム対応が必要な方もいました。

心が折れそうになることもありましたが、わかりやすい言葉を選び、ゆっくり商品内容を説明するよう意識したり、クレームをひたすら傾聴して、会社としてできる提案を考えたりしていました。お客様に少しでも納得してもらえればと、前向きな姿勢を忘れずに仕事に取り組んでいました。

そんなある日、上司から「あなたは気持ちの切り替えが上手だね。周りもその姿を見ているよ」と評価され、めげずにインターンを続けて良かったと実感しました。マイナスな感情に流されずに、常にポジティブに仕事をする姿勢をこれからも大切にしていきます。


キャリアアドバイザー)ポジティブさは自分自身のためにもなるものですが、それを人に評価されることで周りにとっても価値のある信条となりますね。人に評価されたり言われたりしたエピソードがあればぜひ盛り込むようにしましょう。

人や社会のためになることをする

他人や社会に役立つ行動をしようという意識も、仕事を進めていくうえではとても大切です。自分の仕事が社会や人のためになっているということを直接確認できないケースも多いですが、自分がしている仕事は、必ずビジネスのどこかにつながっています。

人や社会のためになることをするという信条は、どんな業務に対しても誠意をもって当たることができる人材であることをアピールできます

回答例

例文

私は、「人や社会のためになることをする」ということを大切にしています。大学2年生の秋に地元で大きな災害があり、その影響で3日間停電したために自宅近くの避難所に入ったのですが、自分にできることはないだろうかと考え、役場の人に申し出て救援物資を整理して他の避難者に渡したり、高齢者の話し相手になったりしました。

停電がいつまで続くのだろうかと自分自身も不安でしたが、だからこそ「前向きな気持ちを伝えよう」と意識し、役場の人と一緒に動きました。

電気が復旧してから、あるおばあさんから「あなたが避難所を明るくしてくれたんだよ」と声をかけられたときは、涙が出るほどうれしくなりました。入社後も、人や社会のために自分のできることを実践していれば必ず誰かに届くと意識して仕事に取り組みます。

キャリアアドバイザー)状況がイメージしやすいエピソードです。人や社会のために、という信条から、具体的にさまざまな行動に移す「積極性」や「行動力」があることも合わせてアピールできています。

思いやりを忘れない

思いやりは日常生活の中で人にちょっとした心配りをすることです。友人が旅行に出る際に「気をつけてね」と声をかけたり、エレベーターに乗ってくる人のために「開く」ボタンを押したりといった小さなことも思いやりといえます。

仕事の場面に置き換えると、思いやりがあることで、相手が求める行動ができ、顧客の要望に早く気づけるなどのメリットがあります。チームワークを重視する企業では特に「思いやりを忘れない」という信条が評価につながります。

回答例

例文

私は、常に他人への思いやりを忘れないことを信条としています。学生時代、行政書士事務所のアシスタントとして書類のコピーやファイリング・データのスキャンなどのアルバイトをしていました。

ある日、行政書士の先生から「ただ言われたことをやるだけでなく、相手が何をしたいかを考えて仕事しなさい」とアドバイスを受けました。そこで、自分なりに仕事を振り返り、スキャンしたデータを読みやすい向きに変え、ファイリングする時に見出しを付けるなどの工夫をしてみました。

すると先生から「書類を見る人の立場を考えた行動だね。仕事もはかどるよ」と感謝されました。自分が携われる業務は変わっていないのに、喜んでもらうことができたことで、それまでにない大きなやりがいを感じました。

入社後も自分が相手の立場なら何をしてほしいかを常に考え、仕事に取り組みます。


キャリアアドバイザー)思いやりを忘れないことがなぜ信条となったのかがわかるエピソードです。思いやりをもって行動することで人に感謝され、心から喜ぶことができる素直さも感じられます。

人を思いやるということは、協調性があるということでもあるでしょう。自己PRでの協調性のアピール方法は、こちらをチェックしてくださいね。
例文13選|自己PRで「協調性」は3ステップで誰でも作成できる!

あきらめず己に勝つ

「あきらめず己(自分)に勝つ」という信条も、仕事だけでなく普段の生活につながっています。講義で難しい課題が出たときに単位を落としたくないと思って、周りの誘惑を断ち切って頑張った経験のある人も多いのではないでしょうか。

内定を獲得して希望する企業に入った後は、頑張ったのに成果が出ない・評価されない、あるいは人間関係がうまくいかないなど、思うようにいかない場面がいくつも訪れます。そこであきらめてしまうと、周りから消極的な人間に見られてしまうかもしれません。

粘り強く自分のできることから取り組めば道は開かれ、仕事のやりがいにもつながります。あきらめず己に勝つという信条は、業種を問わず多くの企業にアピールすることができます。

回答例

例文

私は、何事にもあきらめないことを信条としています。大学に入学後、将来は貴社のようなグローバルに事業を展開する企業で働きたいと決心したのですが、実は高校時代から英語が大の苦手でした。

しかし、ここであきらめたら夢を実現することができないと思い、毎日2時間英語の勉強をしたうえで、英語に慣れるためにテレビニュースを副音声で聞くようにしました。また、合宿制の英会話スクールで7日間、日本語禁止の環境で徹底的に英会話も学びました。最初はなかなか成長が感じられず、何度もくじけそうになりましたが、最大の敵である自分自身の苦手意識に「絶対に勝つ!」という気持ちで励みました。

その結果、英語を公用語にしている企業で求められているTOEIC800点をクリアすることできました。自分にできるあらゆる方法で粘り強く勉強を続けた結果だと自負しております。貴社の仕事でたとえ困難にぶつかっても、あきらめずに己に打ち勝ち、乗り越えていきます。


キャリアアドバイザー)成果としてTOEICのスコアを示すのもいいですが、具体的にどのように努力し、己に勝ったのかが伝わることで、インパクトのある回答となっています。

柔軟に対応する

柔軟に対応できることは、仕事でも普段の暮らしでも評価されます。アルバイトで他のメンバーが突然休んだときにヘルプを求められ、担当以外の仕事をお願いされたことがある人もいるでしょう。想定外のことが起こっても、相手の状況を考えながら臨機応変に対応する柔軟な姿勢は、さまざまなシチュエーションで活かされます。

状況に合わせて対応するといっても、ただ周りに合わせるだけだと流されやすい人だとマイナスの評価を受ける可能性があります。柔軟な対応を信条として伝えるときは、自分の意見を持ちつつ、状況を見てバランスを取れる人物だとアピールするようにしましょう

回答例

例文

私は、状況に合わせて柔軟に対応することを信条としています。学生時代は父の知人が経営する印刷所で週3回アルバイトをしており、社員と共に顧客対応や校正作業・印刷作業の補助などあらゆる業務を経験しました。

校正作業・印刷作業では、仕事のあらゆる場面で慎重さが求められていました。判断に迷った時はすぐに周りに相談して、納期や正確さに影響が出ないよう急ぎの案件から着実に対応するよう心掛けました。繁忙期には学業に支障のない範囲で勤務日時を増やし、少しでも社長や社員の力になりたいと意識していました。

その結果、気が回る人間だと印刷所の人だけでなく顧客からも評価されたのです。私はこのアルバイトを通して、柔軟な対応を身につけ、その大切さを学びました。

貴社に入社後も、周囲を調整しながら臨機応変に対応する姿勢を大切にして仕事に取り組んでいきたいです。


キャリアアドバイザー)信条は人の支えとなり、成長させるものです。例文では、柔軟な対応で人から評価されたというだけでなく、その大切さを学び、成長したことをアピールできています。

何でもチャレンジする

困難にめげず何事にもチャレンジする姿勢は、入社後の仕事でも必ずプラスに働きます。社員の働きぶりを定期的に評価する企業が増えていますが、結果だけでなくチャレンジする姿勢にも注目しています。短期間で結果が出なくても、挑戦し続けることで結果を出せる可能性が高いと考えられているからです。

何でもチャレンジするという信条によって、入社後の成長が期待できる人材として評価されます。

回答例

例文

私は、難しいと思ったことでもまずはチャレンジしてみることを信条としています。4歳の頃からピアノを習っており、高校2年生のときにコンクールで優勝した時、さらに上のレベルの曲にチャレンジしてみては、と母に勧められました。

最初は受験勉強と両立するなんて無理だろうと思ったのですが、最初からあきらめるのではなく、まずはチャレンジしてみようと思いました。そして勉強の合間に1日2時間ずつ練習した結果、目指す曲を完璧に演奏できるようになりました。発表会で演奏し切ったときの大きな達成感と喝采は、今でも思い出に残っています。今となっては、ピアノの練習が受験勉強のペースメーカーになっていたと感じています。

この経験から、挑戦もせずにあきらめてしまうのはとてももったいないことだと学びました。仕事でもまずは臆さずチャレンジする姿勢を大切にしていきます。


キャリアアドバイザー)エピソードを話すときは、そこから何を学んだのかを明確に述べると良いでしょう。学びが信条につながっていると伝えることで、説得力のある回答になります。

継続は力なり

継続して物事に取り組むという信条をアピールすることで、入社後に長く働き続けてくれそうな人物だという印象を企業に与えられます。同時に、物事を投げ出さず誠実に取り組む姿勢も伝わります。

短時間で終わるものや長い期間コツコツ積み重ねて結果が出るものなど、仕事にはさまざまな形があります。例えば営業職だと、初めての訪問では門前払いされても地道に自社商品のメリットを伝えるなど関係を深める努力をして、受注につなげています。

具体的なエピソードを示したうえで、仕事の中でどんな形で活かしていくかを伝えると効果的です。数字などのデータを交えて話ができると説得力も高まりますよ。

回答例

例文

私の信条は、物事に継続して取り組むことです。大学2年の秋、就活に向けて先輩が数々の資格を取る姿を見て、私も資格を取ろうと決意しました。

選んだ資格はファイナンシャル・プランナー(FP)2級です。就活の面接がスタートするまでに合格すると周りに宣言し、通信講座などで勉強を始めました。ただ、学業やアルバイト、サークル活動で忙しく、なかなか勉強時間がとれず、テキストがなかなか進みませんでした。

しかし、一度決意したことは達成したいと思い、朝、1時間早く起きて勉強することにしました。アルバイトの仲間で飲みに行くこともあり、毎朝早起きするのはつらいと感じることもありましたが、目標を達成するまでは必ず続けると決めて継続しました。

その結果、大学3年の秋に合格できました。合格できたことはもちろんうれしかったのですが、自分で決めた朝活を1年間続けられたことに達成感があり、「継続は力なり」ということを実感しました。

入社後は資格取得で得た知識を活かすのはもちろん、困難な仕事でも投げ出さずに継続する姿勢を大切にしていきたいです。


キャリアアドバイザー)目標に向けて地味に励み続ける姿勢からは、「努力家」であることや「真面目」さもアピールできます。つらく感じることもありながら継続し、目標を達成した充足感から信条を持った経緯が伝わります。

有言実行

有言実行とは言ったことを必ず実行するという意味の言葉です。ときに難しいことでも、やると言ったからにはやり遂げるという意思の強さや責任感、粘り強さを表します。

目標達成に向けて最後までやり抜く姿勢や、自分の言葉に責任を持つ姿勢を信条としてアピールすると、与えられた仕事を必ずやり遂げてくれる人物として企業への好印象につながります

回答例

例文

私の信条は有言実行です。大学に入学した頃からファーストフード店でアルバイトをしており、大学3年の5月からはトレーナーとして新人教育を任されるようになりました。半数近くのスタッフが3ヶ月以内で辞めるのが気になり、マネージャーに相談し、自分がトレーナーとしてスタッフの質問や相談に対応するなど手厚いサポートを実践すると提案しました。

すぐに結果が出たわけではなく、挫けそうになったこともありましたが、自分から言ったのだから諦めるべきではないと感じ、就活を始めてからも実践しました。すると、徐々に辞めるスタッフが減ってオペレーションにもゆとりが生まれました。私が提案しておこなったことの効果が証明されたのです。

御社に入社後も、有言実行の姿勢をもって仕事に取り組み、自身と御社の成長に貢献したいです。


キャリアアドバイザー)信条とする内容は冒頭と末尾ではっきりと述べることで、どんな信条であったかを印象付けることができます。信条を仕事でどう活かすのかも忘れずに加えましょう。

キャリアアドバイザーコメント

テッ ター スェ

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仕事に活かせる信条に言い換えることも効果的

たとえば、「私の信条は家族と友達を大切にすることです。学生時代からずっと家族と友達を大切にしてきました。今ではたくさんの友達に恵まれて、家族にも支えられて今まで生きてこれました。今後、社会人になっても家族や友達を大切にして生きていきたいと思います」などのアピールは避けましょう。

家族と友達を大切にするのは悪いことではありませんが、ビジネスと関連しづらいため、面接でアピールする内容としてはおすすめできません。また、「社会人になっても仕事より家族や友達を優先するのではないか」と少し不安を感じさせてしまうかもしれません。

もちろん社会へ出ても家族と友達を大切にしていくことは素敵なことなのですが、たとえば「周りの人を大切にする」「周りの人への感謝の気持ちを忘れずに行動する」などと言い換えることができれば、家族や友達だけではなく、職場の同僚や上司にも置き換えて相手が受け取ることができる内容になりますね。このようにビジネスシーンでの展開ができるような内容を伝えるように心掛けましょう。

信条をもつことが仕事の支えに

信条は自分の考え方や行動のベースになるため、ESや面接を通じて問われる機会がとても多い質問です。企業側では学生が答えた信条を、入社してからどのような姿勢で仕事に取り組み、成果を上げていくかを確認する材料として活用しています。「モットー」「大切にしていること」「座右の銘」などの言葉で信条について質問される場合もあります。

実際に、信条をもっていると仕事で困難に直面したときに乗り越える力になります。過去の経験を振り返り、自分の信条といえる考えを見つけ、なぜそう思うに至ったのかも説明しながらわかりやすくアピールしましょう。

記事の編集責任者 小山内 隆

アクセス就活PLUSを運営するアクセス通信(現アクセスネクステージ)に新卒入社。就職サイト「アクセス就活」の立ち上げや、関西支社の営業責任者を経て、名古屋支社の責任者として立ち上げを担う。人事採用支援のほか、就活相談や就活講座の講師などキャリアアドバイザー職を経験した後、2017年に同社役員。現職は採用アウトソーシング(RPO)事業の担当執行役員 > メッセージを読む

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