例文45選! 企業選びの軸を伝える3ステップで面接を突破しよう

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目次

企業選びの軸が「魅力を感じるかどうか」は危険! 軸を定めて就活を効率的に進めよう

企業選びの軸がないと志望企業を決められないの画像

渡辺キャリアアドバイザー

そろそろ志望企業にエントリーする時期ですが、どの企業を選ぶか決まりましたか?

佐藤みなと

実はまだ決まっていません。魅力的な企業がたくさんあるので、どこにエントリーするか迷っています。

渡辺キャリアアドバイザー

魅力的かそうでないか、どのような基準で判断しているんですか?

佐藤みなと

「成長している」「私の好きな商品を出している」「給料が良い」「ネームバリューがある」など、私のアンテナにビビっとくるかどうかです。

渡辺キャリアアドバイザー

直感的ですね! もちろんそれも悪くはありませんが、企業を選ぶ基準は明確にしておいた方が良いですよ。

佐藤みなと

どうしてですか?

渡辺キャリアアドバイザー

基準を定めれば「その企業を受ける、受けない」の線引きが明確になるからです!

佐藤みなと

ということは、志望企業で迷わない……!?

渡辺キャリアアドバイザー

そのとおり! 実は、軸を定めないことには多くのデメリットがあります。デメリットや軸の見つけ方、面接での答え方などについて解説するので、必要性を理解して軸を決めていきましょう!

「企業選びの軸」という言葉を知っている就活生はたくさんいますが、実際には、「なんとなく魅力を感じるかどうか」で志望企業を決めている就活生がほとんどです。

しかし、軸を定めないことによるデメリットは、志望企業が絞れないこと以外にも複数あります。

この記事では、「企業選びの軸を定めないデメリット」「企業選びの軸の見つけ方」「企業選びの軸を聞かれた場合の答え方」などについて解説しています。企業選びの軸の重要性を理解し、明確な軸を定めて内定に一歩近づきましょう。

就職先が決められない場合は自己分析から導く方法もあります。こちらの記事では自己分析から導き出す企業選びの方法について、さまざまなケースを想定しながら解説しています。併せて確認してみましょう。
就職先が決められない!自己分析から導く企業選びのコツ8選

企業選びに迷ったら「就職四季報」を活用することもおすすめです。就職四季報には給与や待遇、採用についての情報を収集することができます。就職四季報の活用方法についてはこちらの記事で詳しく解説しているためぜひ参考にしてみてください。
就職四季報で得られる情報とは? 就活生のバイブルを徹底解説!

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よく聞くけれど……結局何なの? 企業選びの軸

企業選びの基準、それが企業選びの軸の画像

渡辺キャリアアドバイザー

そもそも、「企業選びの軸」とは何だと思いますか?

佐藤みなと

「自分にとって魅力的な企業を選ぶためのもの」だとは思うのですが……。言われてみるとよくわかりません。

渡辺キャリアアドバイザー

企業選びの軸とは、ズバリ「企業を選ぶ基準」のことなんです。

佐藤みなと

「自分が魅力を感じる」という意味ではないのですか?

渡辺キャリアアドバイザー

間違いではありません! しかし、「自分自身が魅力を感じるポイントを具体的に把握している」ということが重要です。一言に魅力といっても、いろいろなものがあるからです。

佐藤みなと

漠然とした「魅力」ではなく、「成長」や「グローバルな取引」などの魅力の中身を具体的に認識している、ということでしょうか?

渡辺キャリアアドバイザー

はい! 「魅力に感じる理由を明確にしたもの」こそが企業選びの軸なんです。

多くの就活生は「企業選びの軸」という言葉を知っていますが、「企業選びの軸とは何か」を理解している就活生は少数です。しかし、企業選びの軸が何なのかわかっていなければ、軸の必要性がわかりませんし、軸を的確に定めることもできません。

では、企業選びの軸とは一体何なのでしょうか。企業選びの軸とは、「志望企業を選ぶ基準」です。ただし、「自分が魅力に感じるかどうか」という漠然とした基準ではありません。自分が魅力に感じる要素を明確にしたものこそが、企業選びの軸なのです。

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「必要ない」はキケン! 企業選びの軸を定めないデメリットとは

マンガでわかる!企業選びの軸を定める必要性の4コマ漫画

企業選びの軸を定めないデメリット

  • 志望企業を絞りにくい
  • 志望動機を書きにくい
  • 面接で「企業選びの軸」の質問に回答できない
  • 入社後のミスマッチの可能性が高まる

佐藤みなと

企業選びの軸が何なのかはわかりましたが、どうして定めないといけないんでしょうか?

渡辺キャリアアドバイザー

軸を定めないと、複数のデメリットがあるからですよ! では、どのようなデメリットがあるか解説しますね。

①気になる企業を受けまくり!? 志望企業を絞りにくい

渡辺キャリアアドバイザー

企業選びの軸が明確になっていない場合、佐藤さんのように志望企業を選べなくなってしまうんです。

佐藤みなと

どうしてそう言えるんでしょうか?

渡辺キャリアアドバイザー

志望企業を選ぶ基準がないせいで、数ある選択肢から何を選べば良いのかわからなくなってしまうからです。たとえば、どの企業も魅力的に映ってしまう場合が考えられますね。

企業選びの軸を定めないデメリットとして、「志望企業を絞りにくい」ことが挙げられます。

企業選びの軸がなければ、どの企業も魅力的に映ったり、反対に嫌な部分ばかりが目についたりしてしまい、結果として志望企業を選びにくくなってしまうからです。

世の中に数多くある企業の中から、自身が納得できる企業を志望企業として選択するためには、企業選びの軸を明確に定めることが不可欠です

②その企業の魅力は一体? 志望動機を書きにくい!

渡辺キャリアアドバイザー

志望動機を書きにくくなってしまうのも、企業選びの軸を定めないデメリットの一つです。

佐藤みなと

企業選びの軸が定まっていないと、なぜ志望動機を書きにくくなるんですか?

渡辺キャリアアドバイザー

それは、志望企業ごとに、「志望理由」、つまり「企業の何に惹かれて入社を志望しているのか」という部分が大きく異なってしまうからです。

佐藤みなと

志望理由が企業ごとに大きく異なる……ということはもしかして、志望企業の数だけ志望理由の深掘りが必要、ということですか!?

渡辺キャリアアドバイザー

そうなんです! 企業選びの軸が定まっていれば、「企業の惹かれたポイント」に共通点があるので、複数の魅力を掘り下げる必要がありません。そのため、労力は少なくてすみますね!

佐藤みなと

確かに、志望理由がバラバラになっているよりも、志望理由に一貫性がある方が、志望動機を書きやすそうですね……!

また、「志望動機を書きにくい」ことも、企業選びの軸を定めないデメリットの1つです。

なぜなら、軸が定まっていない場合には、企業ごとに志望理由が大きく異なってしまうからです。企業ごとに志望理由が異なる場合、「企業の何に惹かれて志望したのか」「なぜ惹かれるのか」など、志望動機の掘り下げを企業ごとにおこなう必要があります。

企業選びの軸が明確な場合には、各企業の志望動機に一貫性が生まれるため、企業ごとにエピソードなどを掘り下げる必要はありません。そのため、企業選びの軸が定まっていないと、軸が明確な場合に比べて志望動機を書きにくくなってしまうのです。

③なんて答えるの? 面接で答えに困る!

渡辺キャリアアドバイザー

面接で企業選びの軸が聞かれた場合に返答に困ってしまうのも、デメリットですね。

佐藤みなと

確かに、「私が魅力を感じるかどうかです」という回答は曖昧すぎるので、私としても避けたいです! もしこう回答したとしても、「どういう点をなぜ魅力に思うのか」を深掘りされて、うまく答えられない未来が見えますね……。

渡辺キャリアアドバイザー

そのとおり! 企業選びの軸を定めることは、面接対策をするうえでも役立つ、と言えますね。

さらに、「面接での回答に困る」ことも、軸を定めないために生じるデメリットです。企業選びの軸は、志望動機や自己PR、長所・短所と同様に、面接で質問されることがあるためです。

企業選びの軸を明確に定めていれば、質問に対して的確に回答できますが、定めていなければ答えに困ってしまいます。また、焦ってつい適当に答えた結果、面接官に理由を深掘りされさらに答えに困る、といった事態に陥る可能性もあります。

このような事態を避けるためにも、企業選びの軸は明確に定めておきましょう。

ESや面接での頻出質問である「自己PR」と「長所」。内容が似やすい2つですが、実は違いがあります。この記事で自己PRと長所の違いについて解説しているので、ぜひチェックしておきましょう。
自己PRと長所の違いはこれで完璧! アピールポイント別例文8選

④思ってたのと違う! 入社後のミスマッチの可能性が高まる

渡辺キャリアアドバイザー

企業選びの軸が定まっていない場合、入社後にミスマッチが判明する可能性が高まってしまう、というのもデメリットですね。

佐藤みなと

ミスマッチって、入社後に「この会社、なんか合わないな」「思っていた仕事と違うな」となることですよね。企業選びの軸を定めていれば、ミスマッチは避けられるんですか?

渡辺キャリアアドバイザー

もちろん、必ず避けられるというわけではありません。しかし、「企業選びの軸が定まっている」ということは、「自分が何を重要視しているかわかっている」ということです。

佐藤みなと

「チームワークを大切にしたい」と自分でわかっていれば、チームワークを重視していない企業に入社することは避けられる、ということでしょうか?

渡辺キャリアアドバイザー

そのとおりです! 合わない会社で働き続けるのは、苦しいものです。入社後にそのような思いをしないためにも、企業選びの軸を定める必要があると言えますね。

企業選びの軸を定めなかった場合、「ミスマッチの可能性が高まる」可能性があります。軸が定まっていないと、なぜミスマッチの可能性が高まるのでしょうか。その理由は、「自分が重要視している基準が不明確な状態で志望企業を選んでいるから」です。

たとえば、「チームワークを重視していること」「裁量が大きい方が望ましいが、チームワークよりは重視しない」という軸が明確にある場合、「裁量は大きいが個人主義を重視する企業」に入社するミスマッチは避けられます。

自身に合わない環境で働くのを避けるためには、企業選びの軸を明確に定めておくことが有効なのです

そもそも働く意味がわからないといった悩みを抱える人も多いかもしれません。こちらの記事では「働く意味」を考えることについて詳しく解説しています。働く意味をしっかりと考えることが、就活成功の第一歩となるためぜひチェックしてみてください。
うして人は働くの? 働く意味を理解して就活を前向きに進めよう

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まずはココから! 企業選びの軸入門編:自己分析で軸を見つけよう

企業選びの軸を見つける方法

  • 自分史
  • モチベーショングラフ
  • マインドマップ
  • 「理想の自分」と「自分にできること」から考える
  • 他の人の軸を参考にしてみる

佐藤みなと

ここまで企業選びの軸を定める大切さや必要性について学んできたので、さすがに「企業選びの軸=自分が魅力に感じた企業」はもうやめようと思います!

渡辺キャリアアドバイザー

素晴らしいですね! ところで、企業選びの軸を何にするか、もう決まっていますか?

佐藤みなと

それが、まだ決まっていないんです。ずっと「自分が魅力に感じるかどうか」で判断していたので……。軸ってどうすれば見つかりますか?

渡辺キャリアアドバイザー

企業選びの軸は自己分析で見つけます! 自己分析での企業選びの軸の見つけ方を解説するので、一緒に軸を見つけましょう!

見つけ方①自分史

渡辺キャリアアドバイザー

1つ目に解説する見つけ方は「自分史」です。

佐藤みなと

自分史とはどういうものですか?

渡辺キャリアアドバイザー

自分史では、自分自身の過去の出来事を時系列で書き出し、「楽しかった理由」「辛かった理由」などを明らかにします。そうすることで、強みや向いている環境などを導き出せるんです!

佐藤みなと

試しに、カフェのアルバイトが楽しかった理由について考えます……。

渡辺キャリアアドバイザー

どのような理由がありましたか?

佐藤みなと

お客さんにありがとうと言ってもらえた、スタッフと協力して忙しい時間帯を乗り越えた、社員さんが優しくて話しやすかった……今思いついた限りですが、こんな理由でした!

渡辺キャリアアドバイザー

今の話だと、「お客さんと直接接する」「チームワーク重視」などが軸になりそうですね。アルバイト以外でも同様の状況が楽しいなら、軸もその方向にできそうです。

まず解説する方法は、「自分史」です。自分史では、自身の過去の出来事を時系列で書き出し、「楽しいと感じた理由」「辛かった理由」を考えます。その過程で、強みや向いている環境などを把握していきます。出来事ベースで、着実に軸を見つけたい人におすすめの方法です。

佐藤みなと

これまでの経験って、すごくたくさんあって振り返るのが大変そうです……。特にどのような経験について振り返れば良いですか?

渡辺キャリアアドバイザー

アルバイトやサークル、ゼミなどの「団体の中での経験」を振り返るのがおすすめです!

企業選びの軸を見つけるためには、特に「団体の中での経験」を振り返りましょう。企業で働くということは、集団の一員として仕事をするということだからです。

これまでの人生を振り返り、「この団体にいたとき楽しかったな、どうしてだろう」と深掘りすることで、自分に合った環境が見えてきます。

たとえば、「一緒に頑張る仲間がいるとき楽しい」などの傾向があれば、企業選びの軸として「相談しやすい」などが考えられますね。

見つけ方②モチベーショングラフ

渡辺キャリアアドバイザー

次に紹介するのは、「モチベーショングラフ」です。

佐藤みなと

モチベーショングラフとは、どのような方法ですか?

渡辺キャリアアドバイザー

ある期間の自分自身のモチベーションの高低を線グラフで表現し、「モチベーションが上がった理由、下がった理由」を考えることで、強みや向いている環境などを導き出す方法です。

佐藤みなと

では試しに、最近モチベーションが下がった理由について考えてみます……アルバイトを辞めたので一緒に頑張っていた仲間がいなくなった、友達が忙しそうで悩みを言えない……などがあります!

渡辺キャリアアドバイザー

「仲間同士で切磋琢磨できる」「チームワーク重視」などが軸の候補になりそうですね!

「モチベーショングラフ」という方法でも、企業選びの軸を見つけられます。モチベーショングラフでは、ある期間の自身のモチベーションの高低を線グラフで表現して、モチベーションが上がった理由、下がった理由を考えます。その過程で、強みや向いている環境などを判明させます。モチベーションの上下から、向いている環境を探したい人におすすめの方法ですね。

モチベーショングラフを使うメリットには、次のようなものが挙げられます。

モチベーショングラフを用いるメリット

  • 自分史と比べて、「楽しい」「つらい」などの感情が一目でわかる
  • 「モチベーションが高い時にいた環境」「モチベーションが低い時にいた環境」をピックアップしやすい

渡辺キャリアアドバイザー

「モチベーションが高い理由、低い理由」を深掘りすることが重要ですよ! 「この時は高いな」と思うだけでは、モチベーション高くいられる環境の特徴がわからないからです。

この方法で企業選びの軸を見つけるには、「そのときのモチベーションが高い、または低い理由」を深掘りしましょう。そうすることで、自分に向いている環境の傾向がつかめます。

「このアルバイトをしているときのモチベーションが低い理由は、無駄の多いマニュアルなのに変えられる雰囲気ではなくストレスを感じたから」ということが分かった場合、「変化を恐れない環境」が向いていると考えられますね。そのため、「変化を恐れない社風」などが企業選びの軸として考えられます。

見つけ方③マインドマップ

続いて解説するのは、「マインドマップ」を用いた企業選びの軸の発見方法です。マインドマップとは、考えていることを蜘蛛の巣状のマップとして具現化し、思考を整理することで、価値観を明らかにする方法です

頭の中を視覚化して整理しやすいので、モチベーショングラフなどと比べて、抜け漏れなく深掘りしやすい方法です。そのため、1つずつ丁寧に分析したい人に向いていると言えますね。

佐藤みなと

マインドマップを使って企業選びの軸を見つけるには、どうすれば良いですか?

渡辺キャリアアドバイザー

中心に「得意なこと」「苦手なこと」「楽しかったこと」「つらかったこと」などを置くことがおすすめですよ!

企業選びの軸を見つける目的でマインドマップに取り組む場合、次のキーワードを中心に置くことがおすすめです。

マインドマップで掘り下げるキーワード

  • 得意なこと
  • 苦手なこと
  • 楽しかったこと
  • つらかったこと

「楽しかったこと」を中心に置いた場合を例に考えましょう。まず、「アルバイト」などの楽しかった出来事を派生させます。次に、「それが楽しかった理由」を考えます。「メンバーの仲が良かった」などが考えられますね。

佐藤みなと

こうやって掘り下げていけば良いんですね!

渡辺キャリアアドバイザー

はい! 「楽しかったこと」以外の他の出来事についても掘り下げることで、より明確な軸を発見できますよ。

同様のことを他の出来事についても行います。そうすることで、「「メンバーの仲が良い」という要素はどの楽しかった出来事にも共通している」などの発見ができるからです。複数の出来事で共通する「楽しむための要素」があれば、それを軸にできますね。

このように、マインドマップを使って「得意なこと」「苦手なこと」「楽しかったこと」「つらかったこと」などを掘り下げることで「自分はこういうもの・環境を好む傾向があるんだな」とわかり、企業選びの軸を見つけられるのです。

見つけ方④理想の自分と自分にできることを知る

渡辺キャリアアドバイザー

4つ目に紹介するのは、「理想の自分」と「自分にできること」をしっかりと分けて考える方法です。たとえば……そうですね、将来の理想像はありますか?

佐藤みなと

あります! 海外と取引のある企業で、一人で何本も契約を取る営業としてバリバリ活躍していたいです!

渡辺キャリアアドバイザー

では、「異なる言語・文化の人と仕事をする」「営業として日々多くの人とかかわる」「知らない人と話す」「個人主義の現場で働く」は佐藤さんにとってできることですか?

佐藤みなと

物怖じしないので、「異なる文化の人とかかわる、知らない人と話す」のは大丈夫です。でも、チームプレーが好きで個人主義は向いていないので「一人で何本も契約を取る」のは向いていないかも……。

渡辺キャリアアドバイザー

理想の自分と、自分にできることは違うということです。理想の自分に近づける企業を選ぶのも素敵ですが、ミスマッチの可能性もあることに注意しましょう。

「理想の自分」と「自分にできること」から企業を選ぶ方法もあります。「理想の自分」とは、「将来こうありたい」という理想像から企業を選ぶ方法であり、「自分にできること」とは「これはできる・向いている」企業を選ぶ方法です

「理想の自分」「自分にできること」とは

  • 理想の自分:将来の理想像から企業を選ぶ方法
  • 自分にできること:できる、向いている事柄から企業を選ぶ方法

「将来は特技の英語を活かして海外企業との取引に携わりたい」という「理想の自分」がある場合を例に考えましょう。

「英語は話せるな」「でも知らない人と積極的に会話するのは苦手だな」など、「自分にできること」を考えます。そうすることで、「新規開拓というよりは、継続顧客とより関係を深化させる仕事が向いている」と考えられるようになりますね。

佐藤みなと

理想の自分と自分にできることを分けて考えるのが大切、ということですね!

渡辺キャリアアドバイザー

そのとおりです!

どちらの方法にすべき、とは一概には言えません。ただし、「理想の自分が、必ずしも自分にできる・向いているものではない」ことを踏まえて企業選びの軸を定めましょう。

理想の自分と自分ができることについてじっくり考えるときは、自分を見える化する「自己分析シート」を作るのがおすすめです。この記事では自己分析シートの作り方を紹介しているので、確認しながら自分に合った自己分析シートを作成してみてください。
自己分析シート|書き方を完全マスター!NG行動もあわせて解説!

キャリアアドバイザーコメント

自分の能力を活かせる場所の見極めが重要

理想像から企業を選ぶメリットは、キャリアについて考え、目標を持って仕事に取り組めるようになることです。対してデメリットは、現実的にできることや得意なこととつながらない選択をして、企業とのミスマッチが起こりうるということです。

仮に、海外を飛び回ってグローバルに働くことを理想とし、外国と取引のある総合商社を志望したとします。しかし、ものごとを緻密に計画して遂行することが苦手な場合、外国の顧客との連絡、調整等を決められた時間内で正確に行うことができません。それでは仕事で成果を出せず、結果ミスマッチとなってしまいます。

自分の得意・不得意は、幼い時からの経験で出来上がったものなので劇的に変化させにくいものです。自分の得意なことであれば、仕事の難易度が多少高くても自分を成長させることで対応できます。しかし、本当に苦手なことは、自分を成長させることにかなりのストレスが生まれます。

理想像は持ちながらも、自分の得意なことを自己分析でしっかりと把握し、自分の能力・才能を存分に活かせる場所を見極めていくことが、やりがいのあるキャリアを築いていくために大切なことなのです。

見つけ方⑤どうしても軸が定まらない!? そんな時は他の人の軸を知るのもあり

佐藤みなと

もしも、「自己分析をしても軸のイメージがわかない」といった状況に陥ったらどうすれば良いのでしょうか?

渡辺キャリアアドバイザー

そういう時は、他の人の軸を知るのが効果的ですよ!

佐藤みなと

確かに、他の人の軸を聞けば、「こんな企業選びの軸があるんだ」とイメージできるようになりますね!

「企業選びの軸にどのようなものがあるのかわからない」「自己分析をしてみたけれど、企業選びの軸のイメージがわかない」といった場合には、他の人の軸を見てみましょう。

そうすることで、自分と異なる価値観や、思っても見なかった軸に触れられます。新たな視点で、それまでよりも新鮮な気持ちで企業選びの軸を探せますね。この記事では、企業選びの軸の例文45選を掲載しているので、ぜひ確認してみてください。

キャリアアドバイザーコメント

テッ ター スェ

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自分の考えを自己分析で言語化すれば就活を進めやすくなる

企業選びの軸に限らず、自己分析は就職活動をする上で特に重要です。就職活動では様々なところで複数の選択肢の中からどれを選ぶかという判断を求められ、その判断の理由を初対面の相手に、言葉でわかりやすく説明することを求められるからです。

自己分析とは、自分の考え方、興味、関心、得意、不得意、好き、嫌い、行動の理由などを言語化する作業といってもいいでしょう。言語化できていれば、エントリーシートを書きやすくなりますし、面接でも話しやすくなります。

企業選びをする際も「自分はこれが得意だからこの企業とマッチしそうだ」と考えられますね。言語化されていなければ「なんとなくこの企業が良い気がする」と感覚で選びがちになり、そこには「本当にこれでいいのかな」と不安も生まれるもの。不安を抱えたままでは面接でも自信を持って受け答えできません。自己分析は就職活動のあらゆる場面で役に立つ必須作業なのです。

「どの方法で自己分析をすれば良いかわからない」。そのような就活生は、この記事を読んで自分に合った方法を見つけましょう。
簡単15のやり方で自己分析はもう迷わない! 活用法を徹底解説

圧倒的な差をつけろ! 企業選びの軸の精度を上げるための方法3選

企業選びの軸の精度を上げる方法の画像

佐藤みなと

自己分析をした結果、私の企業選びの軸として「①チームワーク重視」「②切磋琢磨できる環境」「③挑戦が評価される環境」「④給料が良い」が挙がりました!

渡辺キャリアアドバイザー

素晴らしい進歩ですね! ただし、それだけでは軸として不十分なんです。

佐藤みなと

ええっ! では私は一体どうすれば良いのでしょうか!?

渡辺キャリアアドバイザー

企業選びの軸は、精度を上げてこそ自分へのメリットが大きくなるんです! では、精度を上げる方法を解説します!

佐藤みなと

お願いします!

どの業界の企業を選ぶ? 業界研究・企業研究でやりたい仕事を探そう

企業選びの軸の精度を上げるための手段として1つ目に解説するのは、「業界研究・企業研究をすること」です。業界研究・企業研究とは、業界や企業の情報を収集したり、比較したりすることで業界や企業の特徴や種類、他業界・他社との違いを知る方法です。

業界や企業に関する多くの情報に触れれば、「この仕事も向いているかもしれない」といった発見や、「やっぱりこの軸は譲れない」という再確認ができます。自身で導き出した企業選びの軸に、外部から得た情報が加わることで、軸をよりくっきりと認識できるようになるのです。

佐藤みなと

業界や企業に関する情報を知ることで、「この軸も重要だ」「この軸はやっぱり必要だ」などの認識を深められる、ということですね!

渡辺キャリアアドバイザー

そのとおりです! 軸をよりくっきり認識できれば、入社後のミスマッチをより避けられます。就活生にとってメリットが大きいと言えますね!

企業研究をするときには、ノートを作成するようにしましょう。次の記事で、作成方法について解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
企業研究ノートを作る3ステップ! イラスト付きでわかりやすく解説

実際の仕事に触れるチャンス! インターン

「インターンシップに参加すること」も、企業選びの軸の精度を上げる手段として有効です。インターンシップに参加すれば実際の仕事に触れられるので、業界研究や企業研究以上に深く業界や企業を理解することができます。また、「この軸は外せない」「この軸はそんなに優先しなくても良いかもしれない」などの発見を肌感覚で得られるのです。

インターンシップは就職活動の前年におこなう場合が多いですが、いつ参加しても遅すぎるということはありません。参加可能なインターンシップを探して参加してみてはいかがでしょうか。

渡辺キャリアアドバイザー

業界研究や企業研究でも情報は集められますが、やはり実際に仕事をしてみることで、仕事についてより深く理解できますね。

佐藤みなと

確かに、実際に仕事をして必要と感じた軸には説得力がでそうです。自分へのメリットだけでなく、アピールする際にも効果的ですね!

その仕事実際どうなの? OB/OG訪問で仕事のリアルを聞こう

「OB/OG訪問をすること」でも、企業選びの軸の精度を高められます。OB/OG訪問をすれば、実際に働いている人の生の声を聞けます。そのため、仕事をよりリアルに知ることができ、「この軸はあまり重要ではないかもしれない」など、企業選びの軸の精度を上げられるのです

また、OB/OGに対して、気になる点を質問できることもポイントです。企業選びの軸やこだわりなどを質問すれば、より多角的な視点で、自身の軸を再考できますね。

佐藤みなと

OB/OG訪問の場合、説明会などよりも質問しやすい点も魅力的ですね!

渡辺キャリアアドバイザー

はい! 仕事に関する生の声を聞くことで、よりリアルに将来について考えられます。そのため、企業選びの軸の精度も高められるといえます!

企業選びの軸が面接で聞かれる!? その目的は「入社意欲と相性の把握」にあり!

渡辺キャリアアドバイザー

企業選びの軸は、面接で聞かれることもあるんです!

佐藤みなと

えっ! そうなんですか!? だったら、なおさら企業選びの軸を明確にしておいた方が良いですね。でも、一体どうして企業選びの軸なんて聞かれるんでしょうか?

渡辺キャリアアドバイザー

良い質問ですね! では、企業選びの軸を聞く意図について解説します。

「企業選びの軸とは何かわかっていても、必要性が実感できない……」と感じている就活生も多くいるでしょう。しかし、企業選びの軸は面接で聞かれる場合もあるのです。面接で的確な回答をするためには、企業選びの軸を定めておく必要がありますね。

では、なぜ企業選びの軸が聞かれるのでしょうか。企業選びの軸を質問する目的を解説します。

面接では、企業選びの軸以外も質問されます。ときには「信条」が聞かれる場合もありますが、あらかじめ考えておかなければ回答するのは難しいでしょう。こちらの記事で答え方を確認しておくことをおすすめします。
信条の例文15選!就活で評価されやすい信条の答え方を徹底解説

目的①何を魅力に感じたの? 入社意欲の高さを知りたい!

渡辺キャリアアドバイザー

企業選びの軸を聞く目的は、「入社意欲の高さを知るため」です!

佐藤みなと

企業選びの軸の回答から、入社意欲の高さなんてわかるんでしょうか?

渡辺キャリアアドバイザー

はい! たとえば、軸が「自分の挑戦が評価されること」で、「入社数年で新規プロジェクトのリーダーを任される」ことを理由に志望企業を選んだとアピールした場合、どう思われそうですか?

佐藤みなと

軸が志望企業と合致しているし、志望企業のこともよく調べている感じがするので、志望度が高く思えます!

渡辺キャリアアドバイザー

このようにして、企業選びの軸から志望度の高さを確かめるんです。

企業は、企業選びの軸を「入社意欲の高さを知るため」に聞きます。

たとえば、企業選びの軸を聞かれた際、「自分が成長できる環境です。御社には優秀者の表彰制度などがあり、高い目標をもって働けると考え志望しました」と回答した場合、何に惹かれたのか明確であり、入社後もモチベーション高く働いているイメージと入社意欲の高さが感じられますね

このように、企業選びの軸に対する回答から、入社意欲の高さがわかるのです。

目的②合わない場所で働くのは苦しい!入社後のミスマッチを防ぐため

渡辺キャリアアドバイザー

また、企業選びの軸を聞くのは「入社後のミスマッチを防ぐため」でもあります。

佐藤みなと

ミスマッチって、「性格ややりたいことなどが企業と合わない」といった状態のことですよね? マッチするかどうかは実際に入社してみないとわからない気がするんですが、どうですか?

渡辺キャリアアドバイザー

鋭い質問ですね! ですが、ミスマッチの可能性を下げることはできます。というのも、「企業選びの軸が定まっている=就活生が重要視していることがわかっている」と言えるからです。

佐藤みなと

つまり、企業は軸を聞くことで「就活生の求める条件に合っているか判断できる」ということでしょうか?

渡辺キャリアアドバイザー

まさにそのとおりです!

企業は、企業選びの軸を「入社意欲の高さを知るため」以外にも「入社後のミスマッチを防ぐため」に質問しています。

企業選びの軸が「チームワークを重視していること」であった場合、個人主義の企業で活躍する可能性はあまり感じられませんね。同様に、企業選びの軸が「個人の活躍が求められること」であった場合、チームワークや協調性を重要視する企業とは合わないと考えられます。

このように、企業選びの軸から入社後のミスマッチの可能性を予測できるのです。マッチしない環境で働くことは、就活生にとっても避けたいものですね。企業選びの軸を定めなければ、明確な基準なく企業を選ぶことになるため、ミスマッチを引き起こしてしまうのです。

キャリアアドバイザーコメント

企業選びの軸を定めるためには、企業・業界の特徴を知ろう

業界や企業の特徴を把握しなければ、具体的な企業選びの軸が定めにくくなります。理由は、軸とできそうな項目にどんなものがあるのかが「思い浮かびにくい」からです。

学生のみなさんが知っている企業や仕事、サービスの種類は社会にあるもののごく一部です。業界研究などをしなければ、その限られた知識の中から「これが自分に合うかもしれない、違うかもしれない」と考えてしまいます。しかし、業界研究や企業研究で、今まで知らなかった仕事やサービス、考え方に触れることで「この業界がピンとくる」と思えたり、「この企業の考え方は、自分が求めていた働き方と同じ」と感じる出会いが生まれます。

こうした情報をたくさん持っていてこそ、「自分はこの軸でいく」と選択できるようになるのです。特に社風などは外部からわかりにくいので、インターンシップやOB/OG訪問をして、具体的な話を聞くことが大切です。ただし「社風を知りたい」であったり「具体的な仕事の進め方はどうなっているのだろうか」など、意図を持って参加してこそ、欲しい情報をキャッチできます。参加する前には下調べや、特に知りたいことを挙げておくなど、事前準備をすることが必須です。

頻出質問の1つ「自己PR」では、タイトルを付けることでより印象的にアピールできます。刺さるタイトルを作る秘訣について知りたい方は、ぜひこちらの記事もチェックしましょう。
刺さる自己PRのタイトルを作る3つの秘訣|例文15選で徹底解説

自己PRは長さを指定される場合もあります。思ったよりも長い時間を指定されたら、何を話せばよいかわからず焦りそうですね。この記事は、3分間の自己PRを効果的に行う方法を解説しているので、ぜひチェックしてくださいね。
例文8選|3分の自己PRを最大限活かすコツやありがちな失敗を解説

NGがあるって本当? 面接で答えない方が良い企業選びの軸って?

佐藤みなと

企業選びの軸の重要性は良くわかりましたし、実際に企業選びの軸も定まりました! これなら、企業選びで迷わず、面接で聞かれても自信をもって答えられます!

渡辺キャリアアドバイザー

素晴らしいですね! ところで、面接で答えないほうが無難な企業選びの軸があることは知っていますか?

佐藤みなと

えっ、そんな軸があるんですか!? 教えてください!

渡辺キャリアアドバイザー

では、面接で答えない方が良い企業選びの軸について解説します。

もしかして……仕事そのものへの興味が薄い? 雇用条件

渡辺キャリアアドバイザー

答えない方が無難な企業選びの軸の1つとして、「雇用条件に関するもの」が挙げられます。

佐藤みなと

雇用条件というと、給料や休日の数などのことですよね? どうして避けた方が良いのでしょうか?

渡辺キャリアアドバイザー

その理由は、「仕事そのものへの意欲や興味が感じられない」と思われる可能性があるからです。どれだけ雇用条件が良くても、やりたくない仕事はなかなか頑張れないですよね?

佐藤みなと

確かに……! そのような誤解を招かないよう、雇用条件を軸として伝えるのは避けた方が無難、ということなんですね。

渡辺キャリアアドバイザー

そのとおりです!

「雇用条件」に関するものは、企業選びの軸として回答するのは避けるのが無難です。雇用条件には、「給料」「休日数」「勤務時間」などが含まれますね。面接で答えるべきでない理由は、仕事そのものに対する意欲や興味が感じられないためです

もしも企業選びの軸として雇用条件を面接で回答する場合には、「アルバイトで成果を出した際に時給が上がり、さらに成果を出そうと思えた。私は成果に対応して報酬も上がるとモチベーションも上がるため、成果報酬制度が取り入れられている御社を志望している」など、雇用条件が仕事のモチベーションアップに影響することを具体的に示しましょう。

いまいち意欲が感じられない! 単純に興味があるというだけの軸

佐藤みなと

他にも、答えない方が無難な企業選びの軸ってありますか?

渡辺キャリアアドバイザー

ただ単純に「興味がある」というだけの軸です。これでは、「何にどうして興味があるのか」ということがまったくわかりませんし、入社意欲も感じられませんね。

佐藤みなと

「何にどうして持った興味なのか」を明確にすることが大切、というなんですね!

また、「興味がある」というだけの軸も、面接で回答するのは避けましょう。なぜ避けるべきかというと、抽象的で何に対する興味なのかわからないことに加え、単純に意欲が感じられないからです

「興味がある」と伝える場合には、「何に、どうして興味があるのか」「なぜその企業なのか」などを具体的に伝えましょう。企業選びの軸が聞かれる理由の1つが「入社意欲の高さを知るため」である以上、意欲が感じられない回答は避けるべきです。

企業選びの軸を聞かれたらこう答える! 思いを伝える文章構成3ステップ

企業選びの軸を回答する際の文章構成の画像

佐藤みなと

企業選びの軸が定まり、面接で答えるべきでない企業選びの軸もわかりました! これでもう、面接も完璧ですね!

渡辺キャリアアドバイザー

ちょっと待ってください! 何か、大事なことをお忘れではありませんか?

佐藤みなと

大事なこと……? 何でしょう?

渡辺キャリアアドバイザー

面接で企業選びの軸を答える際に「何を、どう伝えるか」です! 選考を受けるわけですから、突破したいですよね。そのためには、面接官に思いが届かなければなりません。

佐藤みなと

「私の企業選びの軸はチームワークを重視していることです」と言おうと思っていたのですが、それではダメなのでしょうか?

渡辺キャリアアドバイザー

ダメ、とは言いませんが……面接官に思いを届けるためには、「軸にした理由」「実際に働いているイメージ」も伝えることが効果的です。おすすめの文章構成があるので解説しますね!

①まずは結論! 企業選びの軸を簡潔に伝えよう

渡辺キャリアアドバイザー

企業選びの軸を回答する際は、まず「企業選びの軸は〇〇です」と簡潔に伝えましょう。

佐藤みなと

どうしてですか?

渡辺キャリアアドバイザー

最初に結論を伝えることで、文章全体を理解しやすくなるからです! せっかく軸を定めていても、面接官に伝わらなければもったいないですよね。

佐藤みなと

そうですね……! だから、最初に企業選びの軸を伝えることが大切なんですね。

まずは、企業選びの軸を簡潔に伝えましょう。最初に企業選びの軸を端的に伝えれば、面接官は「この就活生の企業選びの軸は〇〇なんだな、〇〇について話すんだな」ということを理解しやすくなるためです。加えて、結論に続くエピソードや、今後のビジョンについてスムーズに受け取ることができます。

最初に結論を伝えなかった場合の例を見てみましょう。

最初に結論を伝えない例

私はアルバイトで、個人の実力を評価され給与が上がった際にモチベーションが上がった経験があります。そのため、実力主義であることを企業選びの軸としており、御社には実力に応じて給与が決定される制度があるためモチベーション高く働けると考えます。

この場合、企業選びの軸が「給与額」「個人の裁量が大きいこと」「実力主義」のどれなのか、最後になるまでわかりません。志望意思の高さなどを面接官に届けるためにも、まずは結論を明快に伝えましょう。

佐藤みなと

簡潔に伝える、ということは伝える軸は1つですよね。つまり、私の企業選びの軸も1つに絞らないといけないのでしょうか?

渡辺キャリアアドバイザー

1つに絞る必要はありません! ただし、面接で複数回答するのは、わかりにくく時間もかかるのでやめましょう。

佐藤みなと

伝えるのは1つだけれど、複数の軸があっても良いということですね!

渡辺キャリアアドバイザー

はい! 複数の軸がある場合には、企業選びで迷わないように優先順位をつけましょう。「この軸は譲れない」「別の軸を満たしていれば可能」といった具合です。

②次は理由! 根拠となるエピソードも添えよう

次に伝えるべきは、「企業選びの軸を定めた理由となるエピソード」です。エピソードを伝えることで、面接官は「このような理由からこの軸を定めたんだな」と、企業選びの軸を納得して受け入れられますね

エピソードを選ぶ際には、「具体的なエピソードであること」を意識しましょう。「ゼミのグループ発表を準備する際に、チームワークは重要だと感じた」では、「なぜチームワークを大切に思うか」わからないためです。「どういった出来事から、なぜ、そのように思ったのか」をエピソードに盛り込み、具体的に伝えましょう。

佐藤みなと

「企業選びの軸を選んだ理由となるエピソードは、具体性が重要」ということですね!

渡辺キャリアアドバイザー

はい!「どういった出来事から、なぜ、そのように思ったのか」を盛り込めば、定めた軸の納得感が上がりますよ!

③締めは! 企業の特徴を踏まえた入社後のビジョンを伝えよう

渡辺キャリアアドバイザー

企業選びの軸を伝える際には、最後に「入社後のビジョン」を伝えましょう。

佐藤みなと

それはどうしてでしょうか……?

渡辺キャリアアドバイザー

企業選びの軸を聞く目的が「入社意欲を知るため」「相性を把握するため」だからです! 入社後のビジョンを伝えれば、実際に働いているイメージを抱かせられますよ。

最後に、企業選びの軸を入社後にどのようにして実現したいと考えているか伝えましょう。

たとえば、「年齢などにとらわれず、より成長する方法を模索する社風の御社であれば、私自身も積極的に発言し、仕事に参加できるため、御社を志望しています。」と伝えた場合、面接官は「自ら意見を発信するなど積極的に働きそうだな」「風通しの良い社風に合いそうだな」と感じることができますね。

企業選びの軸を質問する理由は、「入社意欲の高さを知ること」と「相性の把握」です。入社後のビジョンを伝えることで、入社意欲が高く、相性も良いことが伝わるのです

そもそも雇用形態についても悩んでいるという人はこちらの記事がおすすめです。正社員として働くメリットや正社員の柔軟な働き方について紹介しています。
正社員のメリットは将来性にあり! 人気の理由をとことん調査

キャリアアドバイザーコメント

面接では、声量・笑顔・挨拶で好印象を残そう

面接で好印象を残す方法で取り組みやすく、かつ基本的なもの3つをあげます。

まず、声のボリュームを大きくしましょう。そうすれば、ハキハキ元気よく見せられます。これができていないとそれだけで見劣りするので、最低条件だと思っておいた方が良いでしょう。

2つ目に大切なのは笑顔です。笑顔でいれば、自信があり余裕が感じられます。自分の中身が自信に溢れているかどうかは関係ありません。笑顔であることで「余裕がある」ように見えるのです。緊張した場面で笑顔を出すのは簡単ではありませんが「笑顔、笑顔、笑顔」と自分に言い聞かせて面接に臨むことで、確実に変わります。

また、最初と最後の挨拶もとても重要です。何においても人の印象に残るのは最初と最後ですが、それは面接でも同じこと。面接の最中、緊張してうまく答えられなかったとしても、最後に元気よく「本日はありがとうございました」とにこやかに退出すれば「緊張してたけど、にこやかで元気良いね」という印象が残ります。最初と最後の挨拶は相手に好印象を与えることができる絶好のチャンスなので逃さないようにしましょう。

例文45選! 企業選びの軸はこう伝える!

渡辺キャリアアドバイザー

結論、エピソード、入社後ビジョン。企業選びの軸の回答の構成はわかりましたか?

佐藤みなと

はい! でも、具体的にどのように展開すれば良いのでしょうか? 私の場合は「チームワーク重視」を企業選びの軸にするのですが、いざ文章にすると果たしてこれで良いのか不安になります。

渡辺キャリアアドバイザー

前向きで素晴らしいですね! では、企業選びの軸の回答の例文を45個、紹介しましょう!

佐藤みなと

45個! これだけ見ておけばもう企業選びの軸で困ることはなさそうですね!

社風などに関するもの

渡辺キャリアアドバイザー

まずは、職場環境や、社風に関する企業選びの軸の回答例を見ていきましょう。職場の雰囲気などは抽象的な表現になりやすいため、できる限り具体的に伝えることがポイントです。

チームワークを大切にしている

例文

私の企業選びの軸は、「チームワークを重視していること」です。

私は学生時代、カフェでアルバイトをしていました。店舗がオフィス街に位置していたため、お昼時など、時間帯によって非常に混雑する繁忙店であり、混雑する時間帯に最も活きていたのがチームワークでした。

それぞれに任されている仕事をするだけにとどまらず、「今はあの仕事が特に忙しそうだから手伝おう」と、スタッフ全員が相互に考え、行動できたからこそ、限られた人数にもかかわらず、遅れやミスなく商品を提供することができていました。

私はこの経験から、相互に思いやりをもって働くことができるチームワークがあることを特に重視しています。私は御社のインターンシップに参加した際、「チーム全体で協力して結果を出そう」というチームワークを大切にする姿勢を強く感じたため、私もその一員として貢献したいと考えています。

渡辺キャリアアドバイザー

実際にチームワークを大切にしているかどうかは、外から見ただけで判断することが難しいこともあります。例文は、「インターンシップで実感した」と明確に説明している点が良いですね。

アルバイト経験は、企業選びの軸のエピソードの他にも、自己PRのエピソードとしても使うことができます。アルバイト経験の効果的なアピール方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひチェックしてくださいね。
アルバイトの自己PRで面接官の心を掴め! 14例文付き作成方法解説

相談しやすい風土がある

例文

私は、「相談しやすい風土があること」を企業選びの軸にしています。

私は、大学の学園祭実行委員として、学園祭の実行に向けてサークルなどの参加団体とステージ出演時間を調整したり、必要な設備の手配をしたりしています。この仕事をする中で学んだのが、「相談しやすい風土があることの大切さ」です。

あるとき、私がステージ出演時間などの調整を担当していたサークルから、「メンバーの都合により急遽出演できなくなった」との連絡がありました。この時学園祭が目前に迫っていたこともあり、私にはどうすべきかわかりませんでした。しかし、日ごろから先輩方が「困ったらすぐに相談してね」と声をかけてくださっていたため、すぐに相談でき、結果として当日も円滑に進行することができました。

この経験から、私は「相談しやすい風土があること」を重視しています。御社はメンター制度など相談しやすい体制が整っているとともに、OB訪問をした際にも「相談しやすい環境だ」と伺いました。そのため、私も一人で困ることなく仕事ができると考え、御社を志望しました。

渡辺キャリアアドバイザー

相談しやすい風土かどうかは外部からではわかりにくいですし、相談しやすいと感じた理由はあいまいになりやすいものです。OB訪問などによって、社風を知っておくことが重要ですね。

相談しやすい社風を求める就活生の中には、誰かの相談に乗ることが多い人もいるでしょう。その場合、自己PRで「聞き上手」とアピールできます。効果的なアピール方法についてこの記事で解説しているので、確認してくださいね。
自己PRで聞き上手は受動的?|魅力的にアピールするコツを解説

長く働ける環境

例文

私は、「長く働ける環境であること」を企業選びの軸としています。

私は、一度入社した企業にはできるだけ長い期間貢献したいと考えていますが、人生には妊娠・出産や、病気やけがなどの想定外の出来事が発生する可能性があるのが現実です。

実際に私は、骨折の治療が長引きアルバイトを辞めざるを得なくなった経験があります。この時もできれば復帰したかったのですが、長期間アルバイトを休む風土のない職場だったため、復帰は断念しました。

そのため、どのような状況に直面したとしても、安心して職場復帰し、再度活躍できる制度や社風のあることを企業選びの軸としています。OB訪問で、御社の方にお話を伺った際、実際にそれらの制度の利用実績が高く、復帰した方も多くいると伺いました。御社であれば、長く貢献できると考えています。

渡辺キャリアアドバイザー

制度目当てではなく、あくまで「仕事に専念するためにはこのような制度が必要である」ことを、具体例を用いて説明していることがポイントです。

意思決定が早い

例文

私は、「意思決定が早いこと」を企業選びの軸としています。

私は現在、全国に展開している小売店でアルバイトをしており、売上向上のために、季節に応じたキャンペーンを提案することがしばしばあります。しかし、キャンペーンを実際に店舗で実施するには、地域本部へ企画を提案し、承認されなければならず、承認までにおおむね3週間程度は必要です。

クリスマスなど毎年恒例の行事であれば早めに提案すれば良いのですが、その時々のトレンドに乗ったキャンペーンをするためには、3週間は長すぎ、企画が実現する頃にはトレンドに遅れている、という場合もあり、歯がゆい思いをしました。

このような経験から、私は、意思決定が早いことを企業選びの軸としています。御社は各チームのリーダーが明確であるだけでなく、意思決定のプロセスの効率化にも注力しているため、志望しました。

佐藤みなと

なぜ「意思決定が早いこと」を軸にしたのか、理由が明確で納得感があります!

風通しが良い

例文

私は、「上司と部下の間の関係が良好で、意見をしやすい風通しの良さがあること」を企業選びの軸としています。

そのように考える理由は、意見しやすい関係性であれば、お互いにお互いを高めあえると考えるからです。私の所属しているゼミでは、研究発表の際、多くの意見や質問がなされ、実際にそれらがきっかけで研究が一歩進んだことも複数ありました。また、相手が意見してくれるからこそこちらも主体性をもってゼミに参加でき、結果として切磋琢磨することができたのです。

以上のような経験から、私は、上司・部下関係なく意見できる風通しのよさがあることを重視しているため、積極的に意見を出すことを社を上げて推奨している御社を志望しました。

佐藤みなと

一言で「風通しが良い」といっても、いろいろな風通しのよさがあります。この例文は「どのような風通しのよさを求めるか」が明確ですね!

自分の仕事を誇りに思う人と働ける

例文

私の企業選びの軸は、「自分の仕事を誇りに思う人と働けること」です。

私は学生時代、運送業でアルバイトをしていたのですが、アルバイト先の社員の多くが、日々、「面倒だ」などのネガティブな言葉を発していました。私は、せっかく仕事をするのなら、自分の仕事に自信をもって取り組みたいです。また、ネガティブな発言は私のモチベーションを下げるものでもありました。

このような経験から、私は、仕事に誇りを持っている人と働きたいと考えています。御社のインターンシップに参加させていただいた際、お世話になった方々が仕事に誇りを持っていることを感じたため、私もその一員となって仕事をしたいと考えています。

佐藤みなと

社員の方が自身の仕事に誇りを持っているかは、外部からではなかなかわかりません。でも、この例文は「なぜ誇りを持っていると思ったか」という理由が明確なので、納得感がありますね!

少数精鋭の環境

例文

私が企業選びの軸としているのは、「少数精鋭の環境であること」です。

私は以前、飲食店のアルバイトをしていた際、新規店舗のアルバイトのリーダーに抜擢されました。初めての経験でしたし、責任も大きくなるため、当初はプレッシャーを感じていました。

しかし、続けていくうちに、新人の教育や指示出しなど、大きくなった裁量を活かして店舗の円滑な運営に携われることに気づき、今まで以上に主体的に仕事に取り組めるようになりました。

少数精鋭の環境であれば、責任・裁量ともに大きく、主体性も求められると思います。私は大きな裁量のある環境でこそ積極的に仕事に取り組めますし、御社は1チーム4人の少人数制であることから、志望しました。

渡辺キャリアアドバイザー

「少数精鋭の方が裁量も責任も大きいと考えられるため、少数精鋭であることを軸とした」という内容ですね。実際に少数精鋭の現場で活躍したエピソードがあれば、より説得力が出ます。

育成環境が整っている

例文

私は、「育成環境が整っていること」を企業選びの軸としています。

そのように考える理由は、私が現在働いているアルバイト先に従業員の育成制度がないからです。私は、先輩スタッフに積極的に話しかけて担当する仕事や効率的なやり方などを聞くことで、今では時間帯のリーダーとなりました。しかし、育成制度が整っていればより早く成長し、役に立てたと思います。

育成制度が整っていなければ自分が何をすべきかわからず困ってしまいますし、自信をもって働けません。御社は入社時に3か月間の研修があることに加えて、スキルアップ支援制度もあるため志望しました。

渡辺キャリアアドバイザー

「育成環境がなければ成長しないのでは」という疑念が生じる可能性のある軸です。しかし、成長を育成環境任せにしない姿勢を見せることで、自ら成長する意欲をアピールできています!

新しいことへの挑戦を求める社風

例文

私の企業選びの軸は、「新しいことへの挑戦を求める社風である」です。

私は、チャレンジが求められる環境でこそ力を発揮します。そのように考える理由として、学生時代に参加させていただいた、2つのインターンシップでの経験が挙げられます。

1つ目の企業は、堅実な風潮であり、基本に忠実であることの大切さを学んだ一方で、新しいことへの挑戦に消極的な風潮であり、「もっとこうしたいのに」という思いを抱えていました。2つ目の企業は、設立して数年で現在事業を多角化させている企業で、挑戦を求める社風であったため、私自身も「新たにこうすれば良いのでは」などの提案をし、1社目の時よりも積極的に、楽しく仕事にかかわることができました。

このような経験から、私は新しいことへの挑戦を求める社風であることを企業選びの軸としています。御社は、ミッションとして新しい価値観の提供を謳っているとともに、求める社員の特徴としても「挑戦を恐れない人」を挙げていたため、志望しました。

佐藤みなと

参加したインターンシップを比較し、「挑戦を求める社風の方が合っている」と述べていて説得力があります! でも、自分に合わなかった方を批判していると取られないよう気を付けたいですね!

変化に柔軟

例文

私は、「変化に柔軟であること」を企業選びの軸としています。

これを軸としたのは、大学の学園祭実行委員会での経験がきっかけです。私は1年生の頃から、学園祭実行委員会として、サークルなどが出店する店舗の出店受付や出店場所の調整に携わっています。

私はその活動の中で、申請書類など全てが紙ベースであり、他キャンパスで活動しているサークルが実行委員会のあるキャンパスに来る必要があることなどを非効率に感じました。そのため、申請フォームをインターネット上に設置することを提案したのですが、「従来と変える必要はない」と却下されてしまったのです。

私はより仕事の効率を上げたり、売上を上げたりするためには変化が必要だと考えています。そのため、変化をいとわない人材を求める御社で貢献したいと思い、志望しました。

佐藤みなと

変化を求めて行動したエピソードを提示することで、志望企業の求める人材像とマッチしていることをアピールできています! また、エピソードを通じて、課題発見力や行動力も伝わってきますね!

穏やかな社風

例文

私の企業選びの軸は、「穏やかな社風であること」です。

私は大学で体育会の部活動に所属しているのですが、部の雰囲気は「穏やか」とは正反対で、相互に言いたいことを言ったり、何か悩んだり困ったりしていても相談できるような雰囲気ではありません。私自身、その雰囲気が原因で悩みを打ち明けられず困ったことがありましたし、中には退部したり、活動に参加できなくなっていった仲間も何人かいました。

そのような経験をしたからこそ、私は、穏やかな環境で、お互いに気持ちよく仕事をしたいと考えています。OB訪問で、御社の社員の方にお会いした際、「とても風通しがよく、穏やかな人間関係が構築されている」と伺いました。そのため私は、御社を志望しています。

渡辺キャリアアドバイザー

「穏やかな社風」には様々なパターンがあるので、具体的に示しましょう。追加質問として「困っている仲間に対し、どのような対応をしたか」などの質問がされることも考えられます。

キャリアアドバイザーコメント

テッ ター スェ

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社風は具体的に説明することで好印象につながる

社風に関することを企業選びの軸として伝える際、社風は外部からわかりづらいため、具体的に伝えることが大切です。社風を説明しようとすると、どうしても抽象的な言葉になりやすく、「それってつまりどういうことか」という疑問を持たれてしまいやすいのです。

たとえば、社風として「新しいことへの挑戦を求める風土」を挙げたとします。そう感じた具体的な行動や出来事を、インターンシップ、OB/OG訪問や社員インタビューの中から見つけましょう。「会議で新入社員も発言の機会を与えてもらえ、その意見がきちんと議論されていた」「社員の口癖が「わからないなら、やってみよう」であった」などが考えられますね。

このように、何かしら自分が「社風」と感じたことがあるはず。それが何なのかを見つけて言葉にすることが大切です。具体的に伝えられれば、企業は「自分の会社のことをきちんと見てくれている」と感じ、好印象につながります。

周りのことをよく見れる、相手を尊重できるなどの「協調性」は、自己PRでアピールする強みにもなります。自己PRで協調性を効果的にアピール方法については、こちらの記事で解説しています。ぜひ確認してみましょう。
例文13選|自己PRで「協調性」は3ステップで誰でも作成できる!

自己の成長に関するもの

渡辺キャリアアドバイザー

続いて、自己の成長に関する企業選びの軸の回答例を見ていきましょう。なぜ自分自身を成長させられそうだと考えたのか、具体的に伝えることがポイントです。

成長が求められる

例文

私は、「成長が求められる環境であること」を企業選びの軸としています。

私は現在、学習塾の講師のアルバイトをしているのですが、生徒一人ひとりによって勉強に対する熱意や学力は違うため、マニュアルに従っているだけでは学力向上は見込めません。

そのため、各講師が生徒の特性を見て、適切な指導をする必要があり、適切な指導をするためには自分自身の知識や理解を自らの努力で深めることが求められます。私は、そのような環境をプレッシャーに思うことなく、むしろ「もっと成長したい」と思い、努力を続けられています。

このように、私にとって成長を求められる環境は心地よく、成長しやすい環境であるため、企業選びの軸にしています。以前、御社のインターンシップに参加させていただいた際、私は「成長を求められる環境だな」と強く感じたため、志望しました。

佐藤みなと

成長が求められる環境かどうかって、外からではわかりにくいこともありますよね……。例文ではインターンシップを根拠にしていますが、OB訪問や採用サイトなどの記載事項からもわかりそうです!

挑戦が評価される

例文

私は、「挑戦が評価される社風であること」を企業選びの軸としています。

私はこれまでに、開発途上国へのボランティアに複数回参加してきました。ボランティア参加にあたっては、治安や言語が通じないことを理由に家族や友人に止められたとこともありました。

しかし、私がボランティアに参加した理由は支援をするためであり、自分のためではありません。参加を止められたとき、私はまるで自分の挑戦が歓迎されていないようでさみしく思いました。

このような経験をしたため、私は挑戦を応援し、評価される環境で仕事をしたいと考え、チャレンジ精神がある人材を求めている御社を志望しました。

佐藤みなと

エピソードとして「挑戦が評価されず悲しかった経験」を挙げることで、「挑戦できる人材であること」「挑戦を評価される社風を求める理由」の両方が明確になっていますね!

実力主義

例文

私の企業選びの軸は、「実力主義であること」です。

実力主義を軸とした理由は、大学のサークルでの経験にあります。私はかつて、野球サークルに所属していたのですが、そのサークルには上の学年の人が試合に出る慣例がありました。

そのため、下級生であるうちはどれだけ練習をして実力をつけたとしても、試合に出ることはほぼ不可能でした。そして、実力を発揮できないのなら、私は努力して成長する意味が感じられませんでした。

私は、成長したならばすぐにその力を活かしたいと思いますし、力を発揮する機会があるからこそ成長意欲もより湧いてきます。御社は実力主義の社風であり、活躍した分だけ評価される機会があるため、私自身も絶えず努力し、活躍したいと考え志望しました。

渡辺キャリアアドバイザー

エピソードが具体的で、軸の理由に納得感があります! 追加質問は「別サークルに移らなかった理由」「サークルの慣例を変えるための行動」などが考えられます。

従業員が魅力的

例文

私が企業選びの軸としているのは、「働いている方々が優れたスキルなどを有し、魅力的であること」です。

そのように考えるきっかけは、イベントスタッフのアルバイトをしていた際の経験がきっかけです。アルバイトを統括していた方は、自らの仕事に誇りを持っていましたし、アルバイトのスタッフにも優しく声をかけてくださる方でした。

しかし、開催当日までのスケジュール調整にミスが多かったり、使用する設備に関する知識が足りず、準備が滞ることが多々あり、仕事を進めづらいなと感じていました。

このような経験から、私は一緒に働く方が優れたスキルなどを有していて魅力的であることを企業選びの軸としました。私が以前、御社のインターンシップに参加させていただいた際には、現場の方のレベルの高さに圧倒されたため、私もこのような環境で仕事をし、成長していきたいと考えています。

佐藤みなと

「魅力的な人とはどのような人か」「なぜ魅力的な人と働きたいか」が明確ですね! ただし、伝え方次第で過去の上司への批判がメインになってしまいそうな点は注意です。

スキルを磨ける

例文

私は、私の特技である「英語でのコミュニケーション能力を磨けること」を企業選びの軸としています。

実は、私は大学入学時には英語をほとんど話せませんでした。しかし、多くの留学生と知り合うことを通じて、「もっとスムーズにコミュニケーションを取りたい」という思いが強まり、TOEFLのスコアを高めようと考えました。

そして、自分一人で学習もしつつ、英語を話す留学生とのコミュニケーションを通じて意識的にアウトプットした結果、入学時に42点だったスコアが、74点にまで上がりました。この頃には、コミュニケーションに関する課題をほぼ感じなくなり、言語能力を向上させることで意思を疎通できることに喜びを感じました。

御社は海外企業との取引も数多くあるため、私の英語能力が活かせるとともに、ビジネスという今までとは少し異なる会話をすることで、よりスキルを磨き、コミュニケーション能力を高められる点に魅力を感じています。

渡辺キャリアアドバイザー

資格だけでなく、会話能力もあるのが魅力的です! さらに、能力向上のために努力できる人柄も伝わってくるため、ビジネスの世界でも変わらず活躍するイメージができる点が良いです。

若手のうちから責任ある仕事をできる

例文

私の企業選びの軸は、「若手のうちから責任ある仕事をできること」です。

そのように考えるのは、大学1年生の時に経験した、オープンキャンパスのキャンパスツアー企画責任者としての経験がきっかけです。キャンパスツアーの責任者は、ツアーで回る場所の選定や説明する内容、班編成などを統括する、責任の大きい仕事でした。

私は確かにこの仕事にプレッシャーを感じましたが、それ以上に「絶対に失敗できないからこそやり遂げたい」という思いが強くありました。そして、実際にキャンパスツアーを成功させることができたのです。

このように私は、責任が大きいことに大きなやりがいを感じます。御社は、入社後数年でプロジェクトリーダーに挑戦できるなど、若手のうちから責任ある仕事をできる環境にあります。私自身も、早い段階から責任ある仕事に取り組みたいと考え、志望しました。

佐藤みなと

「大学1年生のときに重要な仕事をやり遂げた」エピソードを示すことで、「入社数年でリーダーができそう」という可能性も感じられます!

裁量が大きい

例文

私は、「裁量の大きい仕事をできること」を企業選びの軸としています。

そのように思う理由は、アルバイトでの経験がきっかけです。私はファストフードチェーン店でキッチンのアルバイトをしていたのですが、提供するメニューの種類が決められているなど、私の考えを反映させる余地はありません。

そのような状況で私は、「もっと自分でメニューを考案することができる、裁量の大きい場所で働きたい」と考えるようになりました。実際に、現在はメニュー考案制度のある別の飲食店に移り、それまでよりも主体的に、楽しく働いています。

御社は社員一人一人の意思を尊重する社風であるとともに、チャレンジ精神のある人材を募集しており、裁量の大きい仕事をしたいと考えている私とマッチすると考え、志望しました。

佐藤みなと

「裁量の大きい方が、主体的に仕事に取り組める」ことを示せているだけでなく、「自分に合った環境に移る行動力がある」ことも伝わってくるため、チャレンジ精神を求める社風とマッチしそうですね!

希望する事業に携わりやすい

例文

私が企業選びの軸としているのは、「希望する事業に携わりやすいこと」です。

理由は、私自身が希望する仕事に携わることで、より主体的に仕事をできるからです。私は、大学の吹奏楽サークルで、演奏会の企画をする役職についています。この役職は、メンバーの話し合いで誰がなるか決定します。私は以前からコンサートの企画係をやりたいと考えていたため、立候補し、就任しました。そして、企画係として活動する中で、自らが希望する仕事だからこそ頑張れると感じることがしばしばあったのです。

御社は手を挙げた人に仕事が舞い込みやすい社風であるため、私も積極的に手を上げ事業に参加することで、貢献していきたいと考えています。

渡辺キャリアアドバイザー

希望する仕事だからこそ頑張れたエピソードによって、企業選びの軸の裏付けをできていますね!追加質問としては 「希望しない仕事にはどのように取り組むか」などが予想されます。

スキルアップを支援する制度がある

例文

私の企業選びの軸は、「スキルアップを支援する制度があること」です。

私は以前、日本酒バーでホールスタッフのアルバイトをしていました。多くの種類の日本酒を提供するバーでしたので、接客するためには日本酒に関する知識が求められたのですが、知識をつけたり、資格を取ったりすることを支援する制度はありませんでした。そのため、私は自力で日本酒検定3級を取得したのですが、「職場にスキルアップを支援する制度があればもっと頑張れるのに」と感じました。

私は、仕事をする上で合ったほうがよい知識や資格は積極的に身に着けていきたいと思っているからこそ、職場にもそれを応援してもらいたいと考えています。そのため、スキルアップを支援する制度がある御社を志望しました。

佐藤みなと

前提である「スキルアップをしたい」という気持ちが伝わってくる点が重要ですね! 制度そのものが目的だと思われないようにアピールしたいところです。

公共への貢献に関するもの

渡辺キャリアアドバイザー

次は、公共への貢献度の高さに関する企業選びの軸の回答例を見ていきましょう。

社会への貢献度が大きい

例文

私は、「社会への貢献度が高いこと」を企業選びの軸としています。

そのように考えるようになったのは、3年前に自宅付近の道路が大雨の影響で遮断され、孤立した出来事がきっかけです。私はそれまで、道路の重要性について特に認識したことはありませんでした。しかし、この出来事がきっかけで、道路がいかに社会に貢献しているかを痛感しました。

御社は国内での道路建設のみならず、開発途上国の道路開発支援に携わっています。その点で私が携わりたい道路建設に関する仕事の中でも、特に社会貢献度が高いと言えるため、志望しました。

佐藤みなと

「社会への貢献」とはとても曖昧になりやすいですが、エピソードがとても具体的なので、「貢献度の高さを軸とした理由」「なぜその軸を志望企業が満たしているか」の両方に納得感が出ています!

良い影響を与える

例文

私の企業選びの軸は、「教育を通じて社会に良い影響を与えられること」です。

私は大学で教育学部に所属しているのですが、その学びを通じて、教育が子供の将来に与える影響の大きさを実感しました。そして、私が課題に感じているのが育つ環境によって受けられる教育に差が生じる教育格差の問題です。格差を一朝一夕になくすことは困難ですが、私自身も格差をなくすことに貢献していきたいと考えています。

御社は、社会貢献活動の一環として、小学生を対象に、実際の製品を用いた科学の授業をするなどの活動を行っています。そのような問題意識をもった企業で仕事をし、いずれは私自身もこの活動に携わりたいと考え、御社を志望しました。

佐藤みなと

一言に「良い影響」といっても、いろいろなものが考えられますよね……。この例文は、「教育を通じて」と手段を明確にすることで、企業選びの軸が抽象的になることを防いでいます。

社会貢献活動に携わっている

例文

私は企業選びの軸として、「地方創生に関する社会貢献活動に携わっていること」を定めています。

私は、一般的に「過疎地域」と言われる地で生まれ、育ちました。東京都には大学進学を機に来ましたが、それ以来、「便利な都会でずっと暮らしたい」という思いと「地元に帰って活性化に貢献したい」という両方の思いをずっと持っていました。そのため、「私自身の仕事が何か」と同等に、「地方創生に貢献する企業かどうか」が私にとっては重要です。

御社は、社会貢献活動として地方農業のIT導入支援事業をおこなうなど、地方の活性化につながるような事業に取り組んでいるため、志望しました。

渡辺キャリアアドバイザー

企業がおこなう社会貢献活動には、様々なバリエーションがあります。その中から「地方創生」というジャンルを示すことで企業選びの軸を具体化していますね!

環境に考慮した商品を扱っている

例文

私は、「環境に配慮した商品を扱っていること」を企業選びの軸としています。

私がそのように考える理由は、開発途上国へのボランティアに参加した際に、気候変動が開発途上国に与える影響をリアリティをもって感じたからです。わたしは、ボランティア活動期間中に現地で漁師として働き生計を立てている方と親しくなりました。

その時に伺ったお話の1つが、「海水温の上昇の影響か、今まで獲れていたいた魚介があまり取れなくなり困っている」というものです。私はこの話を聞き、環境問題を差し迫った課題として受け止めることができました。それ以来脱プラスチックなど、自分にできる範囲で環境に配慮するよう心がけています。

御社は、他社に先駆けてプラスチック使用量を減らした製品や、紙での代替を提案する事業を推進しています。御社であれば、私の環境への思いを活かして胸を張って働くことができると考え、志望しました。

渡辺キャリアアドバイザー

「環境への配慮をすべき」という単純な常識論ではなく、現実の問題として捉えるきっかけとなった自身の経験を具体的に挙げているため、説得力がありますね!

困っている人を助ける

例文

私の企業選びの軸は、「困っている人を助けられること」です。

私は学生時代、あまり観光客の多くない地方へ旅行に行き、道に迷ったことがあります。その際は、「帰れなかったらどうしよう」などと考え、大変焦っていたのをよく覚えているのですが、道案内をしてくれた方がいたため無事に帰れました。それ以降は、困っている素振りの人を見かけた場合には積極的に声をかけるようにしています。

そのような経験から、私は困っている人を助けられることを企業選びの軸としています。特に御社は、製品のアフターサービスの一環として製品の使い方に関する問い合わせ窓口を充実させているため志望しました。

佐藤みなと

自身が困った経験をしたからこそ、困っている人を助けたいという気持ちが伝わってきますね! 追加質問として、「問い合わせ窓口以外に配属された場合のモチベーション」などが考えられます。

キャリアアドバイザーコメント

社会貢献を軸にする場合漠然としないよう注意

社会貢献を軸にした理由は漠然としやすいので注意が必要です。

社会貢献とはより良い社会を作るための行動全般のことを指しますが、社会にある仕事で社会貢献をしていないものはありません。企業は自分たちの商品・サービスが社会にある課題を解決すると信じて提供していて、その対価として報酬を得ています。

そういう意味では、全ての仕事は社会貢献であるといっても過言ではありません。そのため「社会貢献」だけでは範囲が広すぎて漠然としてしまうのです。社会貢献を軸として考えるのであれば、どの分野の課題を解決するのか、またどのような方法で解決するのか、というところまで深掘りするのがポイントです。

顧客への貢献に関するもの

渡辺キャリアアドバイザー

続いて、お客様への貢献に関する企業選びの軸の回答例を見ていきましょう。

お客様ファースト

例文

私は、「お客様を第一に仕事に取り組めること」を企業選びの軸としています。

そのように考える理由は、私がかつてファストフード店でアルバイトをしていた際の経験がきっかけです。

その店舗では、売上向上のために、回転率を上げることを最も重要視していました。もちろん、回転率の重要性は私も理解しています。しかし、回転率を重視するあまり、提供する商品のクオリティに妥協してしまうことがしばしばあり、私はそれに不満を感じていました。なぜなら、お客様が求めているのは回転の速さでは当然なく、見た目、味ともに満足のいくクオリティの商品だからです。

このような経験から、私はお客様の要望を一番に考え、その実現のために働ける環境であることを企業選びの軸としています。御社は、お客様の声を聞き入れるシステムを導入しているだけでなく、実際に改善に取り組んでいることを公表しています。そのため、御社でお客様を第一に考え、自信をもって働きたいと思い志望しました。

佐藤みなと

実際に志望企業が取り組んでいる制度に触れていることで、志望度の高さが伺えますね!

人の幸せに貢献できる

例文

私の企業選びの軸は、「物語を通じて人の幸せに貢献できること」です。

そのように考えたきっかけは、趣味である読書によって、私自身の気持ちが軽くなる経験を何度もしたことにあります。

たとえば、私は大学入試に失敗した経験があり、一年浪人生として過ごしました。志望校に不合格であることがわかった時には、とても気持ちが沈みましたが、そんな私に前を向くきっかけをくれたのが『〇〇』という本でした。『〇〇』があったからこそ、私はショックを乗り越え、次の年の入学試験で志望校に合格できたのです。

このような出来事があったため、私は、物語には人を前向きにさせ、幸せに導く力があると考えおり、多くの物語を出版する御社で活躍したいと考えています。

渡辺キャリアアドバイザー

エピソードが具体的なので、「物語は人を幸せに導く」という考えに説得力が生まれます。エピソードが少し古いため、より最近のエピソードを採用すると説得力が増しますね!

人の成長に携われる

例文

私は、「人の成長を支えられること」を企業選びの軸としています。

私は学生時代、小・中学生を対象とする学習塾で塾講師のアルバイトをしていました。子供たちは、志望校合格のために一生懸命に勉強していて、私もその気持ちに答えられるように、気持ちに寄り添い誠意をもって指導にあたっていました。

そのような仕事をする中で感じたことが、「子供が成長する姿を見ることは、私にとっても仕事を頑張るエネルギーになる」ということです。

特に御社は、小・中学生に向けた学習教材を提供しているだけでなく、直接小・中学生とかかわる機会も設けています。そのため、モチベーションを高く保って仕事に向き合えると考え、志望しました。

佐藤みなと

人の成長を支えられる環境が、モチベーションアップにつながることがよくわかります! 追加質問として、「小・中学生とかかわれない期間のモチベーションの保ち方」などの質問が考えられます。

喜びを提供できる

例文

私の企業選びの軸は、「お客様を笑顔にし、喜びを提供できること」です。

そのように考えているのは、テーマパークでアルバイトをしていた際の経験がきっかけです。私は現在、テーマパークでパレードなどに参加するスタッフをしてます。

この仕事では特に、直接お客様とかかわり、お客様を笑顔にできることを魅力に感じています。たとえ私自身に元気がない時でも、全力で仕事をすればお客様は喜んでくださり、私自身もそれによって元気になるほど、お客様の笑顔は私にとって原動力なのです。

このように、私はお客様を笑顔にし、喜びを提供できる環境でこそ、常に全力で仕事に取り組めるため、企業選びの軸を「喜びを提供できること」に定めています。中でも御社は、目の前のお客様のために動くことをモットーとしているため、私の軸と合致していると考えます。

渡辺キャリアアドバイザー

「お客様を喜ばせることができるなら頑張れる」とよくわかるエピソードですね! 追加の質問として、「お客様からお叱りをいただいた場合の対応」などが考えられます。

暮らしを豊かにできる

例文

私の企業選びの軸は、「物的に豊かな暮らしをできるよう役立てること」です。

私は大学進学を機に上京したのですが、上京して最も感じたことが、「こんなにもたくさんの便利な物があるとは」という驚きでした。東京では簡単に手に入る商品も、私の生まれ育った地域ではなかなか手に入りません。そして、「私の生まれ育った地方にもこれらの物を届ける仕事に携わりたい」と考えるようになりました。

そのような考えがあるため、私は、特に地方への物流網の構築を重点的に行っている御社に貢献したいと考えています。

佐藤みなと

「豊かな暮らし」と聞いてイメージするものって人それぞれですよね! この例文は、どのような豊かさを求めるのか明示することで、混乱を避けています!

自分の適性に関するもの

渡辺キャリアアドバイザー

次は、自分の適性を活かすことに関する企業選びの軸の回答例を紹介します。「なぜ、自分にはその適性があるのか」について、具体的なエピソードなどで根拠を示すことで、信憑性が上がります。

コミュニケーション能力を活かす

例文

私は、「国籍を問わず親しくなれるコミュニケーション能力を活かせること」を企業選びの軸としています。

なぜ、私にこのようなコミュニケーション能力があると言えるのかというと、学部にいる留学生の多くと友人になったからです。私の所属する国際学部は、他の学部に比べて留学生の割合が多いものの、実際にプライベートで遊んだり、出身国の自宅に遊びに行ったりするほど親しくなる人はあまりいません。しかし、私はゼミや講義など、機会を見つけては恐れず話しかけていたため、多くの留学生と友人となることができました。

このように、私は国籍を問わず親しくなれるコミュニケーション能力を持っており、働く上でもこの能力を活かしたいです。そのため、社内に海外出身者が多くいる御社であれば、私の能力を活かすことができると考えます。

渡辺キャリアアドバイザー

「活かしたい能力が実際にあると面接官に信じてもらえること」が重要です。この例文では、エピソードで能力の信憑性を上げていますね。

英語力を活かす

例文

私の企業選びの軸は、「英語力を活かせること」です。

私は、大学在学中に1年間、イギリスに交換留学をしていました。留学した直後には、私は現地に友人もおらず、英語で話しかけられずにいました。しかし、英会話能力が上がるにつれて英語でコミュニケーションをとり、現地の文化など様々なことを学べるようになり、英語を活かすことで世界が広がる実感をうれしく思いました。

私は、仕事をする上でも英語力を活かし、多くの国の人とコミュニケーションを取っていきたいと考えています。そのため、海外企業と取引の多い御社であれば英語力を活かせると考え、志望しました。

渡辺キャリアアドバイザー

英語を話せるだけでなく、実際にコミュニケーションを取っている姿を想像できるエピソードにすることで、入社後も実際に英語を使ってコミュニケーションを取っている姿をイメージできます!

希望するキャリアを選べる

例文

私は、「希望するキャリアを選びやすい環境であること」を企業選びの軸としています。

私は大学で吹奏楽部に所属し、演奏会などの企画をおこなう役職についています。私は企画係をやりたいとずっと考えており、役職を決めるための部員全員の話し合いの際に立候補し、就任することになりました。企画係はやりたいと思っていた役職ですし、立候補してなった役職であったため、「責任をもって取り組みたい」と強く感じましたし、そのおかげで実際に頑張れました。

このように、私は希望する仕事を自ら選べることによって、より主体的に仕事に取り組めます。御社は、積極的に手を挙げた人に仕事が舞い込む社風であるため、短期的には希望する仕事に携わりやすく、長期的な視点では希望するキャリアを築きやすいため、志望しました。

渡辺キャリアアドバイザー

社風に合っていることをアピールする内容になっていますね! 追加質問として「必ずしも希望通りにはならないかもしれないが、その場合はどのように仕事に取り組むか」などが考えられます。

先端技術を有している

例文

私の企業選びの軸は、「農業に活かせる先端技術を有していること」です。

そのように考えるのは、私の生まれ育った地には農業に従事している人が多くいることと、その大多数が高齢であることに課題を感じているためです。

実際に、私の祖父は昨年、「もう年だし、農業はできない」と言って引退していますし、若い後継者もいません。わたしは、この問題の解決に携わりたいと考えており、その方策の一つがスマート農業だと思います。

御社は、農業への先端技術導入を始めた先駆者的立場であるだけでなく、自社での技術開発により、農業に活かせる先端技術を有しているため、志望しました。

佐藤みなと

追加質問として「自分自身が農業従事者になることは考えなかったか」「農業の課題を解決する方策として、なぜスマート農業を選んだのか」などが想定できます。そのあたりも深掘りしておきましょう!

お客様と直接かかわることができる

例文

私の企業選びの軸は、「お客様と直接かかわれること」です。

私がこのように考える理由は、ファミリーレストランでのアルバイト経験にあります。私は現在、ホールスタッフとして働いているのですが、以前はキッチンスタッフとして働いていました。なぜ、キッチンスタッフからホールスタッフに移ったのかというと、「お客様の声が届きにくい場所よりも、直接かかわる場所でコミュニケーションをとって働きたい」と思ったからです。

実際、ホールスタッフに移動して以降は、キッチンスタッフをしていたころよりも「もっとこうした方がお客様のためになる」など主体的に考え、楽しく働くことができています。

御社は入社後、まずは店舗スタッフとしてお客様とかかわりながら仕事をすることになります。そのため、主体性をもって楽しく仕事に向き合えると考え、志望しました。

佐藤みなと

「お客様と直接かかわれること」によって、何ができるのか明確にしているため、入社後の働くイメージがしやすいですね!

経験を活かす

例文

私は、「中国への1年間の留学経験を活かせること」を企業選びの軸としています。

私は大学2年生の頃に中国に留学したのですが、その時に最も感じたことは「言語を通じてコミュニケーションを取るのは本当に楽しい」ということです。

私は留学当初、中国語に自信がなかったため現地の大学生に全く話しかけられませんでした。しかし、ある時思い切ってつたない中国語で話しかけてみたところ、思った以上に歓迎してくれましたし、きちんと会話もできたのです。それ以降はコミュニケーションを取ることが楽しくなり、間違いを恐れずに会話できるようになりました。

この経験から、中国企業との取引の多くある御社では、中国への留学で得た「中国語を話す能力」と「恐れずに積極的にコミュニケーションを取れること」を活かせると考え、志望しました。

渡辺キャリアアドバイザー

一口に「留学経験を活かす」と言っても、経験内容は人それぞれです。この例文からは、中国語を話せるだけではなく、恐れずコミュニケーションを取れることが伝わってきますね。

多くの人とかかわる

例文

私は、「仕事をする際に国籍や業種問わず、多くの方とかかわること」を企業選びの軸としています。

多くの人とかかわることを企業選びの軸としたのは、ゼミでの研究発表の際の経験がきっかけです。私の所属していたゼミは議論が非常に活発であり、発表の際には「これは違う見方もできるのではないか」などの意見が多く出されました。それらの意見の中には、到底私にはできなかった発想のものも多くあり、結果として研究が進んだことも多々ありました。

このように、より多様な観点からものを見た方が、私自身も面白く、かつより多くの人の役に立つ商品を作り上げられると私は考えています。御社には様々なバックグラウンドを持つ方がいるだけでなく、それらの方々とチームを組んで仕事に取り組むため、志望しました。

佐藤みなと

エピソードから、この軸を選んだ理由に加えて「異なる意見を取り入れる柔軟な人柄」も伺えるため、様々な背景を持つ人と議論をしながら協力し、仕事をすすめるイメージができます!

信頼関係を築く力を活かす

例文

私の企業選びの軸は、「お客様と信頼関係を築ける力を活かせること」です。

私は学生時代、ドラッグストアでアルバイトをしていたのですが、その際にお客様と親しくなることが多くありました。店舗での会話なので、長くても数分であり、通常は商品に関する質問が主な会話内容です。しかし、私の場合には「あなた出社の日だって聞いたから今日来たよ」「孫が大きくなってねえ……」といった、商品とは関係のない話までフレンドリーにしてくださるのです。

私はこの経験から、仕事でもお客様と信頼関係を築く力を活かしたいと考えており、御社の店舗スタッフとしてお客様と信頼関係を築くことで大きく貢献できると考えています。

渡辺キャリアアドバイザー

接客業や営業職に向いているアピールにもなりそうですね! 追加質問として、「お客様と接する際にはどういったことを心がけているか」などが考えられます。

活躍の場に関するもの

渡辺キャリアアドバイザー

最後に、活躍の場に着目した企業選びの軸の回答例を見ていきましょう。

世界に向けて情報を発信できる

例文

私の企業選びの軸は、「世界に向けて情報を発信できること」です。

私は大学時代、新聞部に所属し、大学に関する出来事などを発信していました。そのなかで徐々に感じるようになっていったのが、「もっと多くの人に情報を発信したい」ということです。

大学の新聞部でも情報発信はできますが、発行部数や、運用しているSNSのリアクション数などから、発信範囲がやはり限られていることを痛感しました。

御社はジャンルの中心的役割を果たすウェブメディアを展開しています。そのため、これまでに培った取材力などを活かしながら、より広い範囲に向けて情報を発信していきたいと考えています。

佐藤みなと

軸だけを見ると、「なぜ世界に向けてなんだろう」と思いましたが、エピソードを通じて現状の課題を伝えることで、発信範囲を広げたい理由が明快になりますね!

海外の企業と取引がある

例文

私は、「海外の企業と取引があること」を企業選びの軸としています。

私がこのように考えるのは、異なる価値観に触れるのが好きであるとともに、価値観の違いを乗り越えて成果を上げることに大きな達成感を覚えるからです。

私の所属するゼミには複数の国から来ている留学生がいます。合同で発表する際には相互の協力が不可欠ですが、国柄や、個人の性格の違いから、なかなか期日までに必要なデータを集められなかったこともありました。しかし、そうした違いに触れることは新鮮でした。そして、違いを乗り越えて発表を成功させたときには、なにもかもが思った通りに進んだ発表よりも達成感がありました。

このように、私は、異なる価値観に触れるのが好きなだけでなく、違いを乗り越えて目的を達成することに強い魅力を感じます。御社の取引先の多くは海外企業であるため、私のこのような性格を活かして貢献できると考えています。

渡辺キャリアアドバイザー

「違いを乗り越えて発表を成功させることに大きな達成感がある」など、海外企業と取引する上で壁となりそうな事象を乗り越えられることを示していて、活躍イメージができます!

海外で活躍できる

例文

私の企業選びの軸は、「海外で活躍できること」です。

そのように考える理由は、私には海外の人ともコミュニケーションを取れる積極性やチャレンジ精神があるからです。趣味の海外旅行では、ただ旅行するだけではなく、現地の人との交流も好きで、実際に今までに行った多くの国に友人がいるほどです。

私は海外に行くことに何ら抵抗がないことに加え、現地の方と親しくなる積極性やチャレンジ精神も持ち合わせているため、海外で活躍する機会のある企業で仕事をしたいとかんがえています。御社であれば、入社後数年で海外事業の担当者として、海外で仕事をすることが可能であるため、志望しています。

佐藤みなと

単純に「海外旅行が好き」というだけではなく、「海外で仕事をするうえで必要な能力も持っている」ことも伝わってきます! 面接官にも「海外で働けそうだな」という印象を抱かせられそうですね!

海外の人とかかわりがある

例文

私は、「海外の人とかかわりがあること」を企業選びの軸としています。

私の通っている大学は海外からの観光客が多い観光地にあり、道を歩いていると知らない言語が聞こえてきたり、実際に道を聞かれるなど話しかけられることが多くあります。その環境の影響か、入学当初話しかけられて焦っていた私が、いつしか「もっとコミュニケーションを取れるようになりたい」と思うようになっていました。

そして、気づけば英語だけでなく中国語なども勉強し始め、今では検定の級を取得するほどになったのです。今では、困っていそうな人を見かけると、国籍関係なく話しかけるようになりました。

私は、海外の人とかかわりが多い環境にいたことで、コミュニケーション能力を磨き、実際に会話をできるようになりました。仕事でもこの能力を活かしたいため、海外の人とかかわりのある御社で活躍したいと考えています。

渡辺キャリアアドバイザー

「実際に海外の言語を習得した経験を仕事でも活かしたい」という内容なので、軸に納得感があります。また、「国籍関係なく話しかけられる」というのも、グローバルな企業には魅力的ですね!

地元を活気づける

例文

私の企業選びの軸は、「地元の活性化につながる事業を行っていること」です。

私は御社の所在する〇〇町で生まれ、育ちました。大学進学を機に関東に転出したのですが、その際に感じたことが「地元よりも活気にあふれていて魅力的だ」ということです。しかし同時に、「卒業後は地元の活性化に貢献したい」と考え、4年間変わらずその思いを持っていました。

特に御社は事業の一つとして、空き家を移住先や民泊として有効活用する取り組みをしています。空き家は私の地元でも社会問題となっているため、御社での仕事に貢献したいと考えました。

渡辺キャリアアドバイザー

「地元の活性化」は、人によって手段やイメージが異なるものです。面接で追加質問をされる可能性もあるので、自分はどのような活性化をイメージしているか、明確にしておくことが重要です。

地方の情報を発信できる

例文

私は、「地方の情報を全国に発信できること」を企業選びの軸としています。

私は大学進学を機に東京都に転出しました。大学では都内出身者のほか、同じく地方出身とも親しくなったのですが、お互いの地元について話す中で、「居住していた頃には気づけなかった魅力が地元にあること」「他地域の人は知らない地元の魅力や特産があること」に気づきました。そして、「卒業後は地方の魅力を全国に発信することを仕事にしたい」と考えるようになったのです。

そのため、観光視点での地方の魅力発信を行っている御社に貢献したく、志望しました。

渡辺キャリアアドバイザー

課題を認識したきっかけが明瞭ですね! この場合、追加質問として「出身地域の魅力とは何か」「どのように伝えるのが効果的だと考えるか」などが考えられます。

地方の物産を全国に提供できる

例文

私の企業選びの軸は、「地方の物産を全国に提供できること」です。

私は大学卒業を機に隣県へ転出したのですが、隣県で生活をする中で「地元の道の駅で当たり前に売られていた野菜は、隣県ではほぼ売られていない」と気づきました。そして、地方の物産を全国に提供する仕事に携わりたいと考えるようになりました。

確かに、道の駅など、店舗単位で通信販売をしており、遠隔地でも入手可能な場合もあります。しかし、御社はこれらの物産の情報をまとめ、一括して注文が可能です。より多くの人に地方の物産を提供できるので、御社に貢献したいと考えています。

渡辺キャリアアドバイザー

自分のやりたいことや、課題だと思っていることが明確なので、企業選びの軸に納得感がありますね! 追加質問は「志望企業のサービスをどのようにアピールしたいか」などが考えられます。

企業選びの軸を明確にして就活を効率的に進めよう!

渡辺キャリアアドバイザー

ここまで、企業選びの軸の重要性や面接での伝え方などを解説してきました。最初は「企業選びの軸は、自分にとって魅力的かどうかです」と言っていましたが、重要性を理解してくれましたか?

佐藤みなと

もちろんです! 今日は、軸の重要性を理解しただけでなく、「チームワーク重視」という軸も決められた上、面接での回答方法もわかったので、自信が湧いてきました!

渡辺キャリアアドバイザー

理解していただけて何よりです! 企業選びの軸を明確にして、就活を効率的に進めていけそうですね!

記事の編集責任者 小山内 隆

アクセス就活PLUSを運営するアクセス通信(現アクセスネクステージ)に新卒入社。就職サイト「アクセス就活」の立ち上げや、関西支社の営業責任者を経て、名古屋支社の責任者として立ち上げを担う。人事採用支援のほか、就活相談や就活講座の講師などキャリアアドバイザー職を経験した後、2017年に同社役員。現職は採用アウトソーシング(RPO)事業の担当執行役員 > メッセージを読む

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